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目次にもどる2002.5

【アイテム提案】 女性向けのキャリーバッグがない

 同時多発テロ事件以来、確かに旅行者全体は激減したが、最近の旅行会社の報道では「11月に底を打った」と伝えられた。海外渡航は前年の7〜8割程度に回復、また国内旅行も順調に推移して前年同期2割増のところもあるとか。
売場ではいま早急に国内旅行向けのキャリーバッグが必要とされている。特にミセス向けのソフトキャリーバッグの不足が続いており、小売店もあわててかき集めている状況だ。メーカーと現場との意識のズレがまだ大きいので、早急な提案が待たれている。
今までもソフトキャリーバッグはトラベルの中では重要な位置を占めていたが、最近ニーズが高まっているキャリーバッグは、従来のそれとは様相が違う。そのポイントをまとめてみたい。

1. 主客層は女性
トラベルと言えばハードケースが主流だった90年代後半、ナイロン製のソフトキャリーバッグが登場し、斬新な印象を受けたが、当時客層は主にビジネスマン向け。
今回のソフトキャリーバッグ需要は、1〜2泊程度の国内旅行に出かける元気な女性達が主客層。休日改正で3連休が増えたこともあり、気軽に1泊旅行に出掛けるミセスやOLが増えた。都市型観光や値頃なホテルプランも人気。ある程度質の高い旅をしたいと思う風潮になっている。その彼女達が持てるキャリーバッグが穴になっているのである。

2.ファッション性+機能性
 今はトラベル用品も、ファッションアイテムとして購入したいと考える人が増えている。ハードケースでもカラフルなものが売れるし、アルミの独特な素材感の「リモワ」も若い人には根強い人気だ。革付属や合皮、帆布、デニム、ファーなどの素材使い、トレンドを意識したディテールなどがあまりにも少ない。「女性が持つ」ことにもっとこだわったキャリーバッグが登場して欲しい。
もちろんしっかりした機能と操作性、持っていて安心出来る質感も重視される。

3.タウンでも持てる
 特にここ数年でキャスター付き商品が急増し、便利さを知った人が引き続きリピーターになっているケースが多い。買い物や荷物の多い移動でもキャリーバッグに頼る人が首都圏では珍しくない。そのため「タウン持ち→ある程度のおしゃれ感」が必要になってくる。シニア向けの色とデザインがまだ多いので開発の余地は大きい。

 最近キャリーバッグメーカーの「スワニー」から折りたたみチェア付きのキャリーバッグが発売された。それもシニアの買い物用にと開発されたのだが、実際は趣味の絵描きや釣りなど顧客側から様々な用途が出たとか。まだ市場に登場してから間もないキャリー系、今後の成長アイテムであることは間違いない。小売店の店頭に「旅に出たい!」と思わせるキャリーバッグを並べることが今後必要になってこよう。