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目次にもどる2002.12

【アイテム提案】 若い世代のビジネスバッグがない

 最近のメンズのビジネス市場では、ツープライス系のショップなどが充実し、手頃にオシャレなスーツが買えるようになった。イタリアのクラシコ風なスーツもかつてはインポートで10万円以上だったが、今では同じ雰囲気のものが中国生産品になると2万円前後で購入できる。
同時にそうした売場に、ビジネス対応の雑貨アイテムも様々なスタイルが登場してきている。例えばビジネストートやスポーティーシューズのようなカジュアルな雰囲気のものまでアイテムが広がりを見せている。
しかし、スタイルの多様化が見られる中で、今の新社会人たちの間では「仕事の時でも何使ってもいいじゃん」的な、オンとオフの区別もない考え方が強まっているようだ。例えば、スーツにペラペラのナイロントートやスポーツ系リュック、中にはウエストバッグの斜め掛けを取り入れてしまう。彼らにとって黒で無地のバッグなら普段使っているものと兼用させてしまっても構わないようだ。
 ファッション全体では、流行りのブランドやテイストで決め過ぎるとダサいので、あえて外すという「脱力系」が台頭しているが、こういったビジネスシーンでも、あえてかどうか疑わしいが、同じような「外し」が強く感じられる。また、スーツとシューズは選べるが、バッグだけが学生気分という人も多い。
 このことは、ビジネスバッグとして彼らが欲しいと思えるアイテムが市場に少ないことも背景にありそうだ。もしくは、何を買えばいいのか分からない人がまだまだ多いのだろう。社会の中では常識ということが、若い世代は全然知らなかったということも多々あるハズ。ぜい沢な客層ではあるが、彼らにもう一度、ビジネスバッグの基礎知識を提案することが必要なのかも知れない。
「そんなおまえもレッドウイングのブーツで面接来ただろう!!」と上司に突っ込まれちゃいました。