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フットウエア・プレス  2003・4
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イタリア通信
 フィレンツェ在住 通信員 大谷聡美
高感度ショップ「ラスピーニ」のモットーは
“時代を作る靴の店”
 洋服・靴・バッグをトータルで提案する「ラスピーニ」は1945年、フランコ・フェリーニ、ジョバンナ夫妻が“時代を作る靴の店“をスローガンに立ち上げた、歴史のあるセレクトショップです。
当時、2人の洞察力と直感で選んだ靴が集められた店は、その感度と接客の良さが、フィレンツェの靴職人や靴メーカーの間であっという間に評判になり、一目おかれる存在になりました。事実、「プラダ」の商品を扱ったのはこの「ラスピーニ」が一番でした。
3店舗に拡張した現在では、馴染みのお客さんだけでなく、世界中の観光客が感度の良いファッション商品を求めにやってきます。


ドゥオモ近くローマ通りの一角にある
モード系ブランドを中心に展開
フィレンツェのドゥオモに近いヴィア・ローマの角にある「ラスピーニ」は、3店舗の中で一番品ぞろえが豊富で、毎週変わるショーウインドーが、旬なファッションを教えてくれます。
売場は3フロアに分かれており、1Fは靴、2Fはバッグ、3Fは洋服となっており、「プラダ」「ミュウミュウ」「フェンディ」「ジル・サンダー」「マーク・ジェイコブス」「マルニ」「チヴィディーニ」などモード系ブランドをメインにセレクトされており、お店のオリジナル商品も展開しています。

今年は木型が丸く、ミリタリーも引き続き人気
 50uの靴売場は、レジを中心にお客さんが回遊し、フィッティングできる空間が十分にあり、靴は壁面とショーウインドーにディスプレイされているのみ。お店の風景はさながらカフェのようで、お客さんは買い物をしているというより、お店の人との会話を楽しんでいるようです。

 この店ではどんな靴が良く売れているのか、オーナーであるフェリーニ氏に聞いてみました。
「去年の秋冬は、レディスだけでなくメンズもポインテッドの傾向にありました。しかし、良く売れたのはスニーカーなどゴム底の靴。カラフルなものもそろえましたが、実際に売れた色は黒。皆さん、ファッションへの投資が堅実で購買スタイルが保守的になっており、むしろ18歳くらいの若い子がお金を貯めて『プラダ』や『グッチ』などドレス系の靴を買っていく傾向にあります」。
「今年は、ポインテッドはもうあきられており、『マーク・ジェイコブス』や『マルニ』のような丸味のある木型が人気。ミニタリーも昨年に引き続き人気があります。」


オーナーのフランコ・フェリーニ氏