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 2004.5
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バッグあっとランダム

 人気ショップ『ギャレリア』(群馬・高崎市)

街中の新たな業態店を目指した『ギャラリー・オブ・ギャレリア』

市郊外の17号線沿いで『郊外型セレクトショップ』をオープン

本紙02年11月号で紹介した「ギャレリア高崎店」をご記憶だろうか。株式会社ギャレリア・ニズムが展開する同店は、『郊外型セレクトショップ』という斬新なスタイルのショップは、アパレル、バッグ、シューズ、雑貨関連を集積した大型店舗。同業態店は現在、高崎市と伊勢崎市にあり、それぞれ80坪、105坪の売場面積。
これまで郊外を主力としてきた同社が昨年3月、市中に出店した。長野哲士社長にギャレリアの新しいスタイルのショップ展開について、また、改めて異業種ミックスのセレクト展開の中でのバッグのスタンスを聞いた。
「ギャレリアの出店は、当時は珍しかったとは思いますが、この地方は車社会だから郊外型は当たり前の業態。買い物は車が普通で郊外といっても十分生活圏内なんです。確かに周囲の方々には出店はバクチみたいなものだと言われましたが」。
98年にオープンした『ギャレリア高崎店』は国道17号線沿いの大型郊外店が建ち並ぶ一角にある。周囲の巨大な看板とはうらはらに、グレーのモダンな外装が逆に目を引く。
商品構成はレディス&メンズアパレル、シューズ、バッグ、小物、インテリア雑貨など。コーナーごとのビジュアルプレゼンテーションができており、数時間でも過ごせそうな店内演出である。


出店ロケーションを一転させ、街中に大人の集う売場をオープン

確かに郊外の路面店でこの感度を提案するのは冒険的な試みだったと思う。だが長野社長はこの業態に安住することなく、次なる足がかりを今度は『街中』へとシフトした。
高崎駅西口のビブレ裏手には再開発地区が広がり、若いオーナー達の革新的なショップがぽつぽつ出来始めている。ギャレリア・ニズム03年3月、70坪弱の面積で2層式大型路面店『ギャラリー・オブ・ギャレリア』が、街中の一角にあるビル内にオープン。1階がメンズ、2階がレディスで、2階奥には10坪程の「おくり」という、和テイストの服と雑貨を集めた実験店もインショップ展開。土壁の隠れ家風で囲炉裏を店内にしつらえるなど、不思議な温かみのあるショップだ。
バッグにもかなり力が入る。ブランドの中心は圧倒的に『ポーター』で、1階売場にはコーナーで仕切られたポーターエリアが。専門店と扱うアイテムは似ていても見せ方に立体感がある。男女問わずお客さんが後を絶たない。
ポーターの上の客層を狙うブランドとして『バイツ』『ゼロハリバートン』『リモワ』、女性には『マリメッコ』や『ジョイホリック』などを展開する。自分スタイルを持つ人達に勧めたい個性的なアイテムが特徴。『フラボア』『レッセパッセ』『カーライフ』などワンランク上のスタイルとも溶け合う。
「以前から駅周辺のストリートに、歩き回って楽しめる『街並み・街模様』がないことが気になっていました。けれど最近になって駅前のマンションが完売したり、再開発地域に専門店が戻るなど明るい兆しが表れています。そんな中『ギャラリー・オブ・ギャレリア』は若い人達が少し背伸びをして買いに来るような、大人っぽい店にしたかった。客層の広い郊外店とはまた違う、フラッグシップ的な店です」。


楽しめる街づくりを目指し、新たにカフェショップも出店

同年7月には新店の近くに、群馬県下で初めて「TULLY's Coffee」をFCでオープンさせた。なぜカフェ事業にまで?
「ストリートで買い物をした後カフェでひと休み、そんな当たり前のことを楽しめる街にしたかった。そして今きちんとプロのノウハウを学べれば、ギャレリアで本格的に飲食のプロデュースも可能になるとも考えたからです。
結局バッグも服もコーヒーも、一つ売るということの根っこは同じだと思うんです。カテゴリーの垣根を越えて、『ギャレリアに行けば自分のライフスタイルに合ったモノがある』と思ってもらえるような、本当の意味でのセレクトショップにしていきたいと考えています」。
自分達でセレクトした家具、書籍、音楽、カフェを提案してゆきたい…、既に「ファッション」というくくりをも越えている。業界の垣根をやすやすとクリアする長野社長のような30代社長達が、こうした地方都市にあっても多く登場して欲しい。
(ジャスミック/川崎)

▽ギャラリー・オブ・ギャレリア=群馬県高崎市八島町1番地
TEL027・327・8644

ギャレリア・ニズム売上高  
03年8月期/4億4000万円
04年(目標)/5億1000万円