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特 集

2 わが社の「出店・商品戦略」
ライフスタイル提案でヒットを狙う
ここ数年で日本人のライフスタイルの多様化・細分化が進み、市場ではヒット商品が生まれにくくなった。ただ、新しいライフスタイルが提案されている商品はヒットしている。トレーニングを身近なものにした「ナイキフリー」、日常品のイメージが強いサンダルをファッションアイテムにした「クロックス」はこれに該当する。分かりやすい機能性や幅広い年齢層に対応できる汎用度の高いデザインも共通点。


ナイキフリー (ナイキジャパン)

 健康志向追い風に、はくだけで鍛えられる手軽さでヒット

 低迷するスニーカー市場にあって、"裸足感覚で足を鍛える"という新しい発想から開発された「ナイキフリー」は、着実に実績を上げているヒット商品だ。ナイキジャパン(東京・品川区)・田辺志伸フットウェアマネージャーは「健康志向の高まりや、トレーニングをしなくてもはくだけで鍛えられるという手軽さが受け入れられた。また一度の足入れで、他製品との違いが実感できる機能面の分かりやすさも1つの要因」と分析する。
 だが、こうした機能性への理解はすぐに浸透したわけでない。「ただ店頭に並べるだけでは埋もれてしまう。時間は掛かるが"機能性を正確に伝える"ことに集中した」(田辺さん)。このため初回は直営店と一部スポーツ専門店に絞って展開。口コミや雑誌掲載、ネットへの書き込みなどの効果で機能性の認知度向上を待ってから、徐々に販路を広げていった。

PR誌を小児科の待合室に配布
店頭展開と平行して、06年3月から「ナイキフリー」に特化したメディア向けのPR紙を製作し、全10回にわたり配信。さらに一般向けに再編集したものを、インターハイ会場や小児科の待合室に配布し、継続的な情報発信を心掛けた。








「クロックス」(クロックスエイジアプライベートリミテッド)

独自開発素材の高機能性が、男女問わず幅広い年代に好評

 05年7月に日本法人のクロックスエイジアプライベートリミテッド(東京・世田谷区)設立で上陸した米国「クロックス」。初年度は目標としていた30万足の約2倍、60万足超を販売した。SC内のワゴンショップ5店舗から始まった展開は、わずか1年で直営2店とFC14店を出店し、卸先はアパレルやスポーツ・アウトドアショップなどを中心に、850店舗を数えるまで急成長した。
売れる理由は何か。森平茂生代表は「科学的根拠に裏づけられたはきやすさと、衝動買いできる価格」と分析する。独自素材を使用する「クロックス」は、片足140グラムという軽量性やクッション性、抗菌防臭に優れており、公的機関での着用実験でも客観的に確認されている。このほか、3900円という買いやすい価格帯、独特なデザインと20種類以上の豊富な色展開などの特徴が、30代女性を中心に幅広い年齢層の注目を集めた。「広告宣伝は一切行わず、ほとんど口コミで広がった。最近はリピーターも増えている」(森平社長)。











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