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![]() ![]() 靴売場の販売員が消費者からよく質問される、革靴のお手入れについての項目をまとめた。それらの質問への回答例を紹介する。(回答協力=エス・アイザックス商会・鳥井田浩一部長、彩革の匠・安富好雄代表) ※回答は一例であり、製品の素材や状態により異なる場合もあります
スムースレザー、起毛レザーどちらも、使用前に防水スプレーをかけておきます。防水スプレーは、スムースレザーと起毛レザーとでは異なりますので、その素材専用のものを使うことをおすすめします。スムースレザーは、新しいうちは着色力の低い「コロニルウォーターストップクリーム」などを使います。クリームをほんの少量つけて全体に伸ばし、きれいな布で乾拭きします。古くなってきたら、だんだん着色力のある靴クリームを使用するとよいでしょう。 また、起毛レザーはブラッシングが基本になります。ドライタイプの汚れには生ゴムブラシで汚れをとります。部分的なドライタイプの頑固な汚れにはスウェードクリーナー(砂消し)やソフトガム(消しゴム)を使います。油汚れには泡タイプのスプレー剤で汚れを落とし、乾いた後にブラッシングし、最後に起毛専用の防水スプレーをかけます。デリケートなヌバックはとくに慎重に扱うようにしましょう。
アニリンレザーは通常の油性クリームやぬるだけの手軽なクリームは革の風合いを損ねやすいので、不向きです。「コロニルプレミアムシリーズクリーム」や「コロニルウォーターストップクリーム」など、デリケート素材用のクリームをおすすめします。ほんの少量つけて全体に伸ばし、きれいな布で乾拭きします。 ハ虫類系はエキゾチックレザー用のスプレーを吹き付け、その後、きれいな布で乾拭きします。
しつこいシミはタオルで押さえ込むように繰り返すと効果的。ただシミ抜きできるのは、水拭きした時に薄黒く水が染み込む革だけに限ります。表面を防水加工している水が染み込みにくい革は、シミ抜きできませんので注意してください。
乳化性クリームはワックス、油、水の3成分を乳化剤で混合したもの。革を柔らかくしツヤを出す保湿・保革性、着色性に優れています。油性クリームはワックスと油で構成され、水は入っていません。この点で乳化性よりも防水性に優れていますが、使い続けると革が硬くなり色も薄くなる場合があり、革に栄養を与える乳化性との併用が望ましいです。市販されているものでは、乳化性がビン入りやチューブ入り、油性は平缶入りなので店頭でも見分けがつきます。 続きは本誌に |
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