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アンケート 低価格化を見込み 既存の商品、流通の見直し進める デフレに入り景気低迷が長引きそうな2010年。厳しい環境の中で業界各社はどのように需要開拓を図っていくのか、靴とバッグの小売、メーカーを対象にアンケートで取り組みを聞いた。アンケートは昨年12月上旬に送付。靴小売21社、靴メーカー・卸43社、バッグ小売9社、バッグメーカー・卸16社から回答を得た。業種別にそれぞれ集計し、円グラフでまとめて傾向を分析している。
Q1 10年の商品需要は上向くと思いますか? 9割の企業が「低迷」すると回答した。商品単価の下落が進み、給与・賞与の減少による家計収入の落ち込みで買い控えも強まる、との理由が大勢を占めている。「二極化が進む」「ネット通販は伸びる」「30〜50代の購買意欲が抑えられる」という声もあった。「生活価値観の大きな変化」に対応できなければ、売上げ確保は昨年以上に難しくなると見方は厳しい。 Q2 需要拡大のため、特に強化する取り組みは?(複数回答) “ハード”の商品より、“ソフト”の売り方に力を入れたいという意識が表れた。「販売員教育」「販売促進」は大手から中小まで幅広く挙げており、専門店としての接客向上を目指す動きは強まっている。消耗戦となる価格競争からの脱却を図る狙いもありそうだ。 「在庫管理」も2番目に多かった。在庫を極力抑えてリスクを減らし、回転率を上げて鮮度の高い商品を展開するのが主な目的だ。続く「商品価格の見直し」は大半がデフレ対応の低価格品の拡大だが、PB(自社企画商品)など差別化した商品で中心価格より上の拡充を目指す店もある。 「その他」では新カテゴリーの開拓、PBの拡充、業態開発などが挙がった。 Q3 主力商品の平均一品単価は増減すると思いますか? 半数が「下がる」と回答。低価格化は一段と強まると予測する企業が多い。価格の減少幅は5〜10%が最も多く、11%以上、5%未満の順。数%の小幅な落ち込みにとどめることは難しいと考えられているよう。 反対に「上がる」も2割弱の回答があった。その中にはコンフォートを扱う店もあり、良品の拡大または絞り込みが単価上昇につながると読む。「その他」は2極化の進行が指摘されている。 Q4 出店計画はありますか? 「ある」と「ない」がほぼ半々。大手のチヨダやジーフット、地域一番店は厳しい市況下でも出店は継続していく。出店先のロケーションは依然として郊外の大型SCが中心だが、駅前SCや中心街の路面店を挙げる企業も多く、都市部へも注目が集まっている。郊外型の路面店は地域チェーンが300坪規模の大型店で、全国チェーンと差別化を図ろうとする動きもある。 計画が「ない」理由は資金不足のほか、意欲があっても任せられる人材がいない事情も抱えているようだ。 Q5 メーカーあるいは海外からの直接仕入れなど、流通の見直しを考えていますか? 「考えている」が6割を超えた。主な目的は利益率の改善と商品の差別化。低価格品の需要が高まる中、利益を確保するには中間流通を省いた効率的な仕入れが欠かせない。メーカーと直接やり取りすることで、商品の仕様変更やPB開発もしやすくなり差別化も進められる。最近は大手だけでなく中小も積極的に直接仕入れを拡充、今年はさらに増えてていくだろう。 続きは本誌に |
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