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ユニクロが靴専門店から撤退

――靴のSPAビジネスが構築できず

ファーストリテイリングはユニクロが展開する靴専門店事業から撤退することを決めた。05年に会社再建中のワンゾーン(旧靴のマルトミ)を買収することで靴小売市場に参入、業界再編の大きな台風の目になるものと見られていたが、成果を上げることなく、5年間で市場から消えることになった。
現在90店舗ある「キャンディッシュ」は今期(11年8月期)中に閉鎖する。事業整理に伴い、第1四半期(10年9〜11月)に8億円の特別損失を計上した。なお、ユニクロの店舗で販売される「ユニクロシューズ」は引き続き販売される。

07年にPB9割の「フットパーク」誕生

靴小売第2位の売上げ規模だった靴のマルトミが、700億円を超す負債を抱えて民事再生法の適用申請をしたのは2000年12月。その後、米国の投資会社と三菱商事の支援を受け、社名もワンゾーンに変えて再生手続きを終了したのが04年12月だった。
この時点で新たな売却先を模索、05年3月にファーストリテイリングがワンゾーンを取得することになった。その狙いは、ユニクロがアパレルで手がけている企画・生産から販売まで一貫して自社で手掛けるSPA展開を靴でも導入し、ユニクロとのシナジー効果を発揮して、靴小売市場でも高いシェアを獲得しようというものであった。
新たな展開では店頭在庫を整理することから取り組み、少在庫と利益を上げることを目指した。並行して不採算店の整理も行った。しかし店舗数が多いだけに店舗リストラは思うようには進まず、仕入れ商品によるフルライン展開はSPA展開にはほど遠く、売上げ規模が200億円超えていても赤字の状態は続いていた。

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