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スペイン靴産業レポート2 | ||||||||||||
スペインの靴産業を支えるバレアレス諸島 スペインの東側にあるバレンシア州には、スペインの靴メーカーの64%を占める642社がある。そのほとんどがアリカンテ県のエルダやエルチェに集中している。また、地中海のバレアレス諸島(マヨルカ、メノルカ、イビザ)には68社の靴メーカーがあり、このうちマヨルカ島に30社、メノルカ島に20社ほどが存在する。 今回はレディスシューズの産地メノルカ島のメーカーと、マヨルカ島の「カンペール」で働く日本人デザイナー牛山旬平さんを紹介する。 |
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メノルカ島がレディスシューズの産地であるのに対し、マヨルカ島はメンズシューズが産地。島の中心都市パルマ・デ・マヨルカから車で約50分北東にある町、インカに多くの靴メーカーが集中している。 ここには全世界でも有名な「カンペール」の本社がある。本社には工場はなく、デザインオフィスとサンプル室があるだけ。ここでは15人のデザイナーが働くが、その中に日本人デザイナーの牛山旬平さんがいる。 頭角を現す日本人デザイナー 「カンペール」のデザイナーの内訳は、50%がスペイン人、50%がマヨルカ出身者とインナーナショナルな外国人で、地元のDNAを入れながらインターナショナルなチームを編成している。外国人はカナダ、ドイツ、イギリス、ポルトガルそして日本人だ。 牛山さんはイタリア・ミラノのポリテクニックデザイン校でインダストリアルデザインのマスターを取得、イギリスの大学でスポーツシューズのデザインとテクノロジーを学んだ。卒業後、日本とロンドンのプーマでデザインを担当。その間に「カンペール」との縁が出来、08年秋から念願の「カンペール」でデザイナーの一人として働くことになった。 「カンペール」はナチュラル、シティ、ビフォ&アフター、スタイリッシュ、キッズと5つのグループがあり、牛山さんが所属するのはスタイリッシュのデザインチーム。古い物を生かしながら新しい物を作り上げるというコンセプトのカテゴリーだ。 「プーマでは直接工場とやり取りをしていましたが、ここではテクニカルチームがサンプルを作ってくれるので、デザインプロセスが最初から最後まで一貫して見ることができます。プロダクトデザインを勉強した自分にとっては良い環境です」と語る。 続きは本誌に |
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