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特集
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今春夏から参入相次ぐ。 ランニングから日常へ提案広がる 無駄を削ぎ落とした薄いソール構造。裸足感覚を追求するベアフット発想のシューズが、昨年から今年にかけて注目度が高まっている。 きっかけを作ったのはアメリカで09年に出版され、ベストセラーになった本「ボーン・トゥ・ラン」だ。著者は人間が本来備わっている足のアーチが、靴にクッションがあるために退化していると指摘。裸足(ベアフット)に近い状態で走ることを理想とした。 この本は伊ビブラム社が開発した「ビブラムファイブフィンガーズ」が紹介され、数万足規模だった売上げは、昨年一気に140万足に急伸。今年は300万足を見込む勢いだという。日本では昨年末に設立されたベアフットインクジャパンが総輸入代理店となり、今年から本格展開を開始。スポーツ店を中心に販売先を広げ、販売量を伸ばしている。 こうした動きを他のスポーツブランドやアウトドアブランドは見逃していない。04年にフリーを開発し、裸足コンセプトをいち早く提案してきた「ナイキ」は4月、機能向上させた最新モデル“ナイキフリーラン+2”を発売。テレビCMで訴求を強めた。 「ニューバランス」は今春夏から、2つのラストで展開する“ミニマス”シリーズを投入。「メレル」も今春夏から3型を発売し、秋冬は5型、12年春夏には普段ばきできるデザインを加えて13型に拡大する。「キーン」は11春夏の注力商品としてミニマル発想の“A86TR”を発表した。 実売はこれから ベアフットへの参入が相次ぐ中、売場での反応はどうか。コーナー展開するアスビー渋谷センター街店は、「目的買いになるほどではないが、着実に浸透してきています」と松崎健太郎店長。ランニングシューズを求めてきたお客が、接客の中で知り関心を示す場合が多く、とくにジム用を考えているお客に好まれるという。 日本でのベアフットランニング第一人者で、昨年4月から全国各地で講習会やビブラムの試しばき会を実施している吉野剛氏も「当初はインストラクターをはじめ関係者の参加が目立ちましたが、昨年秋から30〜40代の男女を中心に一般参加者が増えた。今ではダイエット目的やダンスなどさまざまな理由で集まっています」と広がりを実感している。 現時点では大半がランニング用としての限られた需要だが、12春夏にかけて日常ではける商品が増えていけば認知は広がりそうだ。 「ビブラムファイブフィンガーズ」 (ベアフットインクジャパン)
「ナイキフリー」 (ナイキジャパン)
「ニューバランス」ミニマス (ニューバランスジャパン)
「メレル」ベアフットコレクション (丸紅フットウェア)
「キーン」A86TR (伊藤忠ホームファッション)
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