今月の記事・ピックアップ 2013・5
 HOME > フットウエアプレス > 第46回 ISFレポート


――小売店とメーカーのコラボレーションを提案

靴とウェルネス雑貨の国際見本市「第46回ISF」が3月26〜28日まで、東京・浅草の都立産業貿易センター台東館で開催された。日本の靴の主要産地・浅草に開催会場を移して2回目となる今回は、3日間で合計4309人が来場し、活発な商談を行った。

浅草の活性化がテーマ

今回の出展は109社。海外からはドイツ、中国、台湾がグループ出展したほか、フランス、中国、韓国、台湾、バングラデシュからも個別に参加した。
ISF恒例のセミナーは、3日間で6講座が開かれた。
今回のISF開催テーマは靴のまち_浅草をゲンキにする!″。このテーマを後押しするセミナーとして、台東デザイナーズビレッジの鈴木淳村長が「産地・浅草の活性化に生かせ! これが“デザビレ流”インキュベーションとマチ興し」として、クリエイターによる消費者を巻き込んだイベントが、日本のモノづくりの価値を高めると同時に、まち興しにつながっている実態を説明した。
三越伊勢丹の元婦人靴バイヤーで、現在は支店グループ統括部の嶋田正男部長と、靴チェーンのシューマート・霜田清社長経営方針・戦略を披歴するセミナーが2講座あり、ともに満席だった。ここでは国内メーカーと組んで、SCM(サプライチェーン・マネジメント)を推進することを提案した。




シューケア、フットケアを実演

靴業界で働いていても普段は目にしないような、靴の鏡面みがきやカラーリングの実演も注目を集めた。コロンブスのブースでは同社カラリスト・三橋弘明氏が顔まで映る″シューシャインのテクニックと消費者でもできる革の色替えの楽しさを提案した。一方、企画ブース“シナップス”ではパティーナ・伊藤ユースケさんが独特の絵画・染色技法で靴やウエアをキャンバスに、色のレザーアートを見せた。
国内の靴メーカーの有志が参加するSHOEX会場内の特設工房では、主要な製靴工程である製甲、底付け、仕上げを実演、シェアファクトリー浅草の山崎美土里氏が機械を使わない手釣り″を披露し、浅草らしい繊細でていねいな靴づくりをアピールした。
ウェルネス関連のセミナー・実演では、新潟医療福祉大学大学院の阿部薫教授による「売場ですぐできる! インソールでフィッティングUP」が開かれ、聴講者が2人一組でパッティングのための設計図を仕上げる体験を行った。
売場でのインソール販売は、来店頻度や客単価をアップにつながっているが、その実例を北海道・苫小牧市のウエダ靴専門店の木下幸也バイヤーが具体的な接客方法と合わせて体験発表した。