いまどきミセスとは
○ミセス層を40歳から55歳の女性ととらえると、人口は約1090万人。全女性人口の約16・8%だから、それほどボリュームゾーンではないが、現在、最も生き生きと輝き、消費意欲も旺盛な層といえるだろう。「ハナコ世代」といわれる50代前半(1959〜64年生まれ)の女性たち。この後に40代の「バブル世代(ばなな世代)」、40代になったばかりの「団塊ジュニア世代」が消費行動を引っ張っている。
○ポストバブルの時代に成長した団塊ジュニア世代を除いては、華やかなバブル時代を享受してきており、おしゃれな生活が大好き。ことにハナコ世代はDCブランド経験世代であるだけに、ファッションはスーツやセットアップが中心だ。カラーは明るいビビッドなものが好まれる。当然、靴もこれに合うエレガントなものになるだろう。
○入社すると総合職で期待の星となり、今でも働いている人が多く、女性の年齢別就業率は45〜54歳が最も高く、7割を超えている。キャリアアップしたい上昇志向や、健康に関する高い関心も持っている。若さと美へのあくなき追求も忘れない。
○この世代を読み解くキーワードは「おしゃれ」「快適さ」「健康」「エレガント」「人と違う個性」「流行を押さえたもの」などたくさんある。けれど、基本には「花のある」世代、「消費が大好きな華やかな」世代であることを忘れてはいけない。クオリティーが高くても華やぎのない商品には、リピーターになってくれないかもしれない。
機能が付加されたパンプスがけん引役に
ミセス層の売上げは順調に伸びており、カード会員顧客の年代別売上げを前年比でみると、40〜44歳109%、45〜49歳110%、50〜54歳109%、55〜59歳113%で推移している。その要因は歩きやすい機能性パンプスの伸びが大きい。
40〜50代のミセス層にとってのショッピングのメインは百貨店になり、百貨店にとってたいへん重要な顧客層である。このため他の百貨店との差別化にどう取り込んでいくかが課題。ここで同店は、「かっこいいパンプスをはきたい」というミセスの心に響くデザインと、はきやすさを兼ね備えたパンプスの提案で差別化を図っている。現在のミセス層は、仕事を持っている人が多く、パンプス文化を培ってきた層である。しかし足の衰えは否めない。そこで、足の衰えをサポートする「機能」が不可欠となる。
同店は、機能付きパンプスを自ら開発するなど強化しており、自社員のシューフィッターが計測した顧客の足型の特性やキャビンアテンダントのリサーチから開発した「リミテッドエディションベストバランスパンプス」、外反母趾でもかわいくはけるコンセプトの機能開発で特許取得した工場との商品開発で生まれた「リミテッドエディション
ミカハウエル」に加え、さらにラインアップが増える予定である。デザインは、トレンドのエナメルやサマースエード、異素材コンビ、カラーはベージュやブルーなど明るいカラーが人気で、おしゃれに敏感であることを思わせる。
働くミセスにはモバイルで情報配信
ミセス層への販促活動については、忙しい世代のためDMや電話での効果は薄い。そこで実践しているのが、スマートフォンなどモバイルへの配信である。モバイル会員を1年前から開拓し、現在婦人靴顧客だけで7600人が登録、この顧客に向け2週間に1度情報を配信している。
「秋の注目アイテムは、自分をかっこよく見せてくれるシューズ。スタイリッシュかつ機能的なスタイルに力を入れていきたい。なかでも3pヒールできれいに見えるローヒール・エレガンスシューズを提案していきたい」(婦人靴ゾーン・澤純也ゾーン店長)
9月から常設コーナーとして機能パンプスコーナーを立ち上げ、オリジナルの「リミテッドエディション」のほか、「ワコール」「ニューバランス」「ジーロ」「スタイルラボ」などのブランドを展開する計画だ。
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