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最新・ケミカル市場動向 売場レポート
  ヤングのトレンド市場をリードするケミカルシューズ。今秋冬はバイカラー、ブロックカラー、ブーティ、ポインテッドトウ、起毛素材などの打ち出しで、新鮮なトレンドを打ち出している。
  リーズナブルでファッショナブルな提案は、ヤングだけでなくミセス層にまで客層を広げており、売場では複数買いも見られる。また、客層の広がりで、快適なインソールを装着した商品などにも関心を集めている。 
  リーズナブルなこともセールスポイントだが、最近はワンランク上のベター・ケミカルを展開する売場も好調な動きを見せている。 
  特集ではケミカルシューズの売場動向を見ると同時に、ケミカル商品の販売接客や売場のディスプレイ演出を見る。



 レイジースワン 新宿ミロード店

 

シーズンインはフェミニンなマニッシュタイプから動く

 8月中旬から秋物商品を展開している。昨年は黒が好まれていたが、今シーズンは、カラーもの目当ての顧客が目立つ。カラーはネイビーが圧倒的に人気で、次にグリーン、キャメルが続く。これは夏のカラフル傾向が影響しているものとみられる。バイカラーも引き続き支持を得ており、大胆なバイカラーより、カラーが目立ちすぎない、部分使い、パイピング、ヒール、切り替えなど、さりげないものが数多く見られる。
同店のイチオシテーマは「ジェントルガール」。これはメンズミックスを提案したもので、従来のメンズは男性的なイメージだったが、今年はフェミニンな要素を取り入れ、女性的な雰囲気の繊細なマニッシュになっている。
顧客の中心となるOL層は、「ヒールがほしいけれど、楽な靴がはきたい」「フラットは嫌だけど、7cmヒールは疲れる」という要望が強い。そのため、5〜6cmヒールを求める人が多く、そのラインを充実させている。オーソドックスな5cmヒールのパンプスは、中敷きに低反発のクッションを入れて歩きやすくしており、「楽にはける」ということでリピーターが増えている。
また、昨シーズンまでラウンドトウが主流となっていたが、今シーズンはポインテッドトウが多くなり、顧客の反応もよくなっている。「かっこよさ」「細身」「きれいに見える」などのファッション傾向に影響されていることが大きいようだ。
素材で好調なのが、スエードなどの起毛素材。スエード単体のデザインもあるが、エナメルや型押しなどをミックスした使い方も多く、注目素材の一つである。
「チェック柄やダマスク柄などの柄物、ツイード素材などがこれからの期待商品です」(後藤亜美店長)。
 すでに、チェック柄も動き出している。






エスペランサ 銀座コア店

エレガントで、はき心地のよいものが伸びる

 平日昼間はゆとりのあるミセス、夕方以降はOLなど働いている女性たちに幅広い顧客層を持つ同店。そのため、商品構成もミセス向けのはき心地重視のヒールの低いものから、OLに向けたパンプスなど、幅広く展開している。
ミセス層が最も要望するキーワードは、「はき心地」である。そのため、中敷きにクッションが入ったヒールの低い商品がよく動いており、ツイード系、ビットやプレートなどかちっとした飾りの付いたローヒール、バレエシューズなどのほか、足への負担が柔らかいストレッチエナメルのフラット系が人気だ。
一方、働く女性向けには、プレーンだがワンポイントのあるパンプス系が好調で、ミセス層ほどではないにしても「はき心地」は外せない要素。素材はエナメル系や生地ものがよく動いている。
今シーズンは、「かっこよさ」が求められており、ラウンドトウがこれまでけん引してきたが、ここにきて、ポインテッドトウ、アーモンドトウ、レモントウなどが活発化している。また、仕事ばきとしてオープントウが売れており、軽くてはきやすいウエッジソールで、茶系やグレーなどの秋カラーが好評だ。
全体的には、エレガントなフェイスを持っていて、しかもはきやすいものが伸びている。カラーはネイビー、パープル、ブルー系など寒色系が人気だ。バイカラーは引き続き人気で、ウエッジヒールに差し色をしたり、パイピングに別色を入れたりと凝ったデザインが好まれている。
「今後、柄物や起毛系が出てきそうです。クラシック系のデザインやショートブーツに期待しています」(前田野香店長)。