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新業態の現場 シューズテラス相模大野ステーションスクエア店(三中井)


フラワーショップのような空間をめざす

 10月8日、小田急線相模大野駅のステーションスクエア(相模原市・南区)に16坪の広さでオープンした、三中井がプロデュースする「シューズテラス」。30〜50代のミドルエイジに向けた“パーソナルなライフスタイル型シューズショップ”を目指している。
 コンセプトは「フラワーショップのような空間づくり」。グリーンや花を売場にふんだんに取り入れ、ナチュラルガーデンのイメージをつくり上げている。什器や床材にはウッドを多用し、ブリキやスチール製のガーデン小物をあしらった。靴だけではなく、バッグやソックス、ハンドタオル、ふきん、エアフレッシュナーなどのギフト需要にぴったりのアイテムもそろえている。平均客単価は靴で6800〜1万5800円。
特筆すべき試みとして、シューズショップでは初めてと思われる「靴のラッピングサービス」を始めている。レジ後ろには、フラワーショップで見かけるような色とりどりの不織布ロールがかかり、箱が不必要なお客には好きな色の不織布に包んだ靴にリボンをかけ、ショッパーに入れて渡すという“フラワーショップ”感覚のラッピングを取り入れている。レジ横にはギフトカードを書き込めるスペースも設けた。
プレゼントだけでなく、自分用のものであってもどこか「ちょっと嬉しい」と思ってもらえる感覚を大切にしたいという。
 

大人の女性が満足できる店づくりを

 「現在、女性誌からセレクトショップまでターゲットは“大人”がキーワードです。今までの三中井ではヤング向けの売場が多かったこともあり、新たな大人ターゲットのショップを開発したのがシューズテラスです。品ぞろえも都心部とは異なり、郊外型立地に求められるデイリーなはき心地のよい靴や、レインや防寒といったオケージョンアイテムを意識して取り入れました。あえてこのショップ内で展開することで強みを引き出しつつ、スタイリッシュに見せることが可能になりました」(馬渡隆・営業推進部部長)。
 品ぞろえには、カジュアルからフェミニン、スポーティーなど幅広いアイテムが提案されている。三中井のオリジナルに加えて、「エミュ」「ミネトンカ」「スペルガ」「ヴァルカリーニ」など、ヤングママに人気のインポートブランドもそろえた。
 また、接客を通じてお客の声を拾うことも積極的に行っているが、その中から「この界隈で革靴を売る店が少ない」という意見を重視して、はきやすく値ごろなソフトレザーシューズもそろえている。
「地域密着型の売場づくりは当社にとってチャレンジです。まだまだ大人が満足できる売場は少ない。革が高騰していることでケミカルへと流れがちな業界に、一石を投じたいという想いもあります。トレンドに振り回されず、お客さまの意見をひとつひとつ拾いながらライフスタイルに寄り添うショップを目指していきます」。
 いままでティーンズヤングゾーンを重視してきた業界の流れが、少しずつ大人ターゲットへとシフトし始めた。新たな顧客を掘り起こせるマーケットだけにこれからの動きに期待したい。


▽シューズテラス小田急相模大野店
相模原市南区相模大野3−8−1、TEL:042・767・1054