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アクセサリーを軸に新しい世界を構築シューズブランド「ル タロン」の新業態「ル タロン アンサンブル」の第1号店が5月2日、有楽町マルイ1階にオープンした。入口を入ってすぐの好立地で、広さは15坪ほどである。運営母体であるベイクルーズは、「ジャーナル スタンダード」など多くの有名ブランドを持つファッション企業。ル タロン アンサンブルは、ファッショングッズにフォーカスしたセレクトショップ。「アンサンブル」は、「まとまり、調和」という意味で、「小さな一つひとつの小物が集まってコーディネイトが完成するように、洋服の脇役だった服飾小物をクローズアップし、毎月のテーマに沿ったセレクト商品とオリジナル商品を展開する」というのが基本コンセプトである。商品の割合はアクセサリーが約5割、靴・バッグがそれぞれ2割、ウエアやスカーフなどその他が1割となっている。 このショップの新しさは、各コーナーに靴、スカーフ、アクセサリーなどをコーディネイトしていることだ。例えば、ボーダーTシャツにサングラス、赤のはきぐちが大きなポインテッドトウのシューズを合わせる。これにワイドでプレーンなバングル、チェーンネックレス、いろいろな形の指輪をディスプレイ。すると、そのコーナーだけで一つの世界が見えてくる。つまりは、アクセサリーと靴から見たコーディネイトなのだ。一般的にはどうしても服を軸に考えてしまうために、この発想は新しい。 キーになるのはアクセサリーで、ベーシックラインと毎月一回テーマを変えて訴求するラインの2つに分けている。5月のテーマは「ボーホー トラッド(ボーホーはボヘミアンとソーホーを組み合わせた言葉)」で、ターコイズやフェザー・インディアンジュエリーなどのボーホーなテイストに、デニムやペイズリープリント・ローファーなどトラッドテイストを合わせるミックスコーディネイトを提案している。 「ル タロンは靴の専門業態でしたので、これにコーディネイト提案していきたいという気持ちが起きてきました。服だけではなく、アクセサリーやバッグなどファッション小物を扱うお店にしたいと思ったのです。多くの方々にファッションの楽しさを伝えていきたいです」(ル タロン ディヴィジョン・本間利絵ディレクター) 有楽町マルイ4階にはル タロンのショップがあり、見比べると店頭の違いは歴然。アクセサリーに比重を置き、エッジの効いた姉妹ブランド「ル タロン グリーズ」を中心に入れることで、ル タロンとの差別化を明確にしている。 音符や五線譜をキーにした内装内装もまた、独特な新しさを持っている。スペースはスクエアだが中に半円形のカウンターを置き、入りやすい空間をつくっている。「アンサンブル」という言葉から、内装にはオーケストラのイメージを選んだ。壁には五線譜や鍵盤を描き、正面には小さなオーケストラの楽器がショーケースに入っている。ピアスは音符の形をした不思議な器具の先に留めてある。「お客さまの目線で楽しめるように、アクセサリーを配置しました」と本間ディレクターがいうように、単にショーケースの中に並べられているというのではなく、実際に手に取って合わせて見られるように工夫している。価格帯はアクセサリーが平均6000円程度、靴、バッグともに3万円以下で、「毎日のファッションを気軽に楽しめる買いやすい価格」に抑えている。 全国13店舗を展開するまでに成長したル タロン。トレンドをしっかり押さえた品ぞろえでファンを獲得している。今回登場したル タロン アンサンブルは、小物からコーディネイトを考えることにより、靴を含めたファッション提案の方法を開拓したといえる。 |
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