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特集 引っ張りだこのシューケア&フットケア 
売場レポート

 東急ハンズ渋谷店(東京・渋谷区)

サンプルとPOPを多用し、わかりやすく訴求する

フットケアでは外反母趾ニーズがトップ

 東急ハンズ渋谷店のフットケア用品の中核は、外反母趾や靴擦れ、ウオノメなどに対応する商品だ。「ふくらはぎ痛を取る」「むくみを取る」などの商品は、フィットネスのカテゴリーに入れている。フットケア用品の売れ筋は外反母趾用の商品で、「ソルボ 外反母趾サポータースキニーフィット」が歓迎されている。親指と人差し指が重ならないようにするもので、付け心地がなめらかでフィット感がある。このまま、靴をはくこともできる。
 もう一つが、同じくソルボの「ソルボバン」である。ウオノメやタコにかかる衝撃を吸収する保護パッドで、一般のバンドエイドよりも当たりがやわらかい。レギュラータイプとスクエアタイプの2種類で、ポリウレタン樹脂で人間の筋肉と同じタッチの「人工筋肉」をつくっているというのが売り。最後が「巻き爪シール」。爪の部分に貼って当たりを和らげるもので、中のステンレスが爪を保護する。
 リピーターの多くが40代以上の女性だが、外反母趾用では男性も、保護パッドではパンプスをはいて靴擦れができてしまった20代の女性も見かけられる。売場は基本的にセルフなので、実際に手に取って見られるようにサンプルを置いてある。
「お客さまによく聞かれるのは、痛いのを解消してほしい、ということです。しかし、これで治りますということはいえません。完治するのではなく、和らげるものなのですよ、とお答えしています」(フットケア担当 坂本幸伸さん)。
 

シューケアは梅雨に向けて消臭・防水用品を前面に

シューケア用品の売場では、梅雨シーズンを迎えて消臭用品や防水用品のコーナーを特設し、POPや掲載誌なども前面に出してわかりやすく訴求していた。POPについては、各メーカー(ブランド)の説明や、革の種類など革好きの人にアピールするものと、初心者向けにメンテナンスの手順を解説するものの、2種類をとりまぜて上手に演出している。サンプルも極力準備して、使用具合を実感してもらえるように工夫していた。
 消臭用品で人気が高いのが、ニュージーランド発の「グランズ・レメディ」で、靴の中にあらかじめ散布しておくパウダータイプ。1日1回、約7日間繰り返すのが目安だという。防水スプレーでは「ネバーウエットネオ」が好評だ。アメリカの撥水スプレーで、かなり強力。スエードを含む皮革のほか、ポリエステルや木綿にも有効なので、靴ばかりではなく各種のバッグや衣類にも応用できそうだ。
 昨年からのヒット商品が「ジェイソン マーク」で、革、スエード、キャンバスと素材を問わず使用できるクリーナー(シャンプー)だ。昨今ブームとなっている各種の素材を組み合わせているスニーカーにも対応できる。




女性のシューケア用品の利用も増える

 一方、靴のお手入れ用品に関してはスムースからスエード、ヌバック、エナメル、エキゾチックレザー(クロコダイル、リザードなど)、スニーカーに対応できる靴クリーナーから保革用品をそろえている。さらに各種のインソールやかかと修理の用品も用意。顧客は男女比が7対3で男性が多く、20〜40代が中心となっている。ただし、女性でも自分で靴のメンテナンスをしてみようという人が増えている。また、「長くはいているがまだ使いたいので、お手入れの方法を教えてほしい」という年配のお客もいる。
 びっくりするほどの種類があるインソールの売れ筋は、「アシマル コンフォート」(標準的な3つのアーチを備える万能型。日常生活や長時間の立ち仕事に最適)や、「アシマル ウォーキング」(立体アーチ形状が足をバランスよくサポート。特殊形状プラスチックが足の運動をコントロール、正しい歩行、正しい姿勢を習得することが可能)、「インソールプロ O脚対策インソール」( メンズのO脚対策用のインソール。自分の体重を矯正力として利用し、かかと部から土踏まずにかけて足の外側を持ち上げるヒールウエッジパッドによって膝関節の角度を正常な状態にサポート)などなど。
 ディスプレイでは、極力サンプルを出すようにしているという。実際に使ってみると購買率がかなり高まるため、今後はさらにサンプル・お試しコーナーを拡充していく計画だ。まだ自分の靴をしっかりとお手入れしたことのない人ほど、簡単な実演で自分の靴がキレイになっていくのにびっくりし、「自分でもやってみたい」という気持ちが起きるようだ。