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100%国産で、徹底的な管理による安定した品質が誇り![]() 何十年も前、コロンブス社内でも海外での製造を検討した時もあったのだが、材料の入手は困難だし、何より品質の維持ができない。日本のレベルにまで上げるのに相当の時間がかかると、見送ったという。だが、このことがかえって「メイド・イン・ジャパン」としてのクオリティを保つこととなった。 研究室が品質チェックと商品開発を担当 コロンブスは、自社製品の品質が高く、かつ安定性があることに誇りを持っている。その理由は、次の3点にある。まず、20数人の研究員が働く研究室があり、現行の商品のチェックと新製品の開発ができること。次にほとんどの製品を生産している松戸FACTORYの生産ラインが、極めて安定していること。最後が商品ごとの生産ナンバーによっていつ、どこで生産されたのかがはっきりとわかり、トレーサビリティが可能であることだ。仮に不良品が出たとしても、これによって解決できる。 ![]() 一方でデメリットはやはりコスト。だが、円高になっていても海外での販売にあまり影響は出ないという。同社は50年以上前から積極的に輸出に乗り出し、全商品の10%が海外に出荷されている。台湾、香港、シンガポールなどアジアではナイトリキッドなどが多く、プロも好んで使用する「ブートブラック」は主にヨーロッパに輸出されている。ことに日本企業の進出が進む東南アジアでは、その動きに合わせるように売上高が伸びている。これらの国々では日本製品として日系スーパー、日系百貨店で販売されることが多い。 業界に貢献し表彰を受けた製法も ![]() 手づくり感のある「ブートブラック」に対して、量産しているのが「ナイトリキッド」。手を汚さずにさっと塗れるところが受け、ロングセラー商品になっている。 「ところで、このナイトリキッドの製造法には、当社ならではの製法が使われているのをご存知でしょうか。水と油は液体ですと分離しやすいのですが、油の中に水がある状態にしてそれを防ぎます。温度コントロールや、工程によって撹拌の速さを変えるなど難しい面も多いのですが、この方法によって安定した品質が維持できるのです。30年くらい前に技術を確立、製品化しています。これにより1986年には業界に貢献したとして、藍綬褒章をいただいております」(松戸FACTORY生産担当常務取締役・大下正則氏)。また、1992年にはグットデザイン賞の商品デザイン部門賞を受賞している。 日本は狭いようで南北に長く、四季がある。温度変化にも幅があるため、JIS規格の基準として40℃まで安定した品質であることが求められる。クリーム内の水分は低温になれば凍るので、常温になったときに元の品質に戻るかどうかがカギとなる。コロンブスでは品質試験をして、3回これを繰り返し、変化のなかったものを合格としている。 「当社では独自の基準として、JIS規格より厳しい-30℃~45℃までの品質試験をしています。リキッドの場合は50℃~60℃の高温設定で3カ月放置するという検査もあります。こういった厳しいテストに裏打ちされた安心・安全がアピールポイントになっています。いつ、いかなる時でも同じ対価の商品が買えることが重要なのです」(木下氏)。 厳しい日本基準に合格した商品は、外国でもモノをいうというわけだ。 現在、同社では積極的に「メイド・イン・ジャパン」をラベル表記している。これまでブートブラック以外には表示していなかったが、生活雑貨のほとんどが中国などからのインポート商品となってしまっており、日本国内でも「メイド・イン・ジャパン」を求める声が高くなっているからだ。原産国を気にする人も多くなってきて、販売店からも問い合わせがある。日本人が日本製を見直す時代。海外で、国内で、「いつでも安定した品質である」日本の製品は高い評価を受けている。 ただし、その背景には徹底した品質管理とこまやかな目配りが欠かせない。コロンブスの品質に対する厳しい目は、日本のメーカーの良心を代表するものだといえるのではなかろうか。 コロンブス本社 東京都台東区寿4-16-7 TEL:03・3844・7114 |
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