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  パンプスメソッド研究所

パンプスメソッド研究所 i/288

 「足入れの良い革靴プロジェクト」は、「美しくはき心地がよく、サイズ表記を信頼して選択ができる、メイド・イン・ジャパンの革靴」を開発することを目標とし、2011年から経済産業省、全日本革靴工業協同組合連合会、一般社団法人日本皮革産業連合会などが取り組んできたものである。
 これまで、研究された靴型を使って、レディス6cmヒールのパンプスをつくり、新宿伊勢丹などで実際に販売を行い、大きな手応えを得てきた。これらの成果を踏まえて、「革靴設計ガイドライン」と「認証基準」を策定している。認証の流れは、①認証機関が靴型をメーカーに貸し出す ②各メーカーが製造ガイドラインによって靴をつくる ③ガイドライン通りにつくられているか、基準となる靴とサイズ感が近いかどうか認証機関がチェックする というものになる。
 認証機関が用意する靴型は、足長サイズ19・5~27cm(16サイズ)、足囲サイズA~F(9サイズ)、ボディータイプ「カーブ」と「ストレート」の2種類の計288サイズ。現在、パイロットシューズ、シアンシューズ、シャミオール、エースコーポレーション、エイゾーの5社のメーカーの協力のもと、認証手続き、認証手順、製造工程での課題の検証を行っており、今年春には本認証を実施する。

一般小売店での販売や世界への輸出を目指す

 昨年12月17日には、常設フィッティングルーム「パンプスメソッド研究所 i/288(288分のアイ)」が大手町にオープン。フィッティング用の革靴として、288足の6cmヒールパンプスを用意し、より多くの人たちが認証靴を体験できるようになった。ここでは、288サイズのパンプスを自由に試しばきすることができる。
同時に「i/288」を、認定機関が定める8つの基準品質をクリアした認証パンプスブランドとした。8つの基準とは以下の通り。
①新288サイズ規定の靴型を使用 ②足裏に合わせた立体本革中底を使用 ③靴底の接地面積をタテに拡大 ④十分な大きさのカウンター(かかと芯)を使用 ⑤国産の上質革素材を使用、⑥ていねいなアッパー成型作業仕上げ ⑦パンプスはきぐちの「検査ゲージ」によるチェック ⑧長時間乾燥による靴型成型
このように業界を挙げてサイズの統一とはき心地の向上に取り組む動きは、世界でも初めて。まさに、ち密で上質な「ジャパン・クオリティ」が十二分に発揮されたものといえる。今後は一般の小売店での販売、さらには世界への輸出を目指して、普及活動に努めていく。