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女子力が動かす  三中井

現場の声から誕生した「ジュマペルカナデ」

横浜駅のファッションビル、相鉄ジョイナスにある三中井のショップ「カナデ」は、オープン6周年を迎える。「毎日おしゃれを楽しみたい」という女性たちの願いを叶えるために、国内外からセレクトしたシューズとオリジナルで展開する。カナデのディレクターを務めるのが川崎まさみさんだ。店舗のシーズンテーマを決め、MDやバイヤー業務、店頭に立っての販売まで何役もこなす。
「売場は情報の宝庫。来店するお客さまの要望やリクエスト、売場で働くスタッフの肌で感じる情報などすべてが企画を立てるときのアイデアの源になります。そのため時間が許す限り現場に立つようにしています。接客することが好きですし、それが自分のエネルギーにもなっています」。
 カナデには、はきやすくて、かわいい靴を探して来店する人が多い。そんな現場の生きた情報から誕生したのがオリジナルブランドの「ジュマペルカナデ」だ。はきやすい靴だけではなく、そのうえかわいいとなると限りがある。それなら、オリジナルをつくってはどうだろう。はきやすくてかわいくて、オンでもオフでも使いやすいという盛りたくさんなコンセプトで立ち上げた。
 数社の国内メーカーの協力を得て、プレーンパンプスやサイドオープンのパンプス、アーモンドトウのエレガントパンプスなど、シーズンごとにカラーを変えてヒット作を生み出していった。現在ではパンプス、カッターシューズ、ローファーなど、エレガンスからカジュアルまで、さまざまなデザインを展開する。価格は7000円前後が主力。

接客から企画のアイデアが生まれる

 川崎さんが、企画を考えるときに意識していることは、
1.顧客の声とかい離したものになっていないか、
2.その1足で幅広いコーディネイトを楽しむことができるか、という2点だ。
「自分を大切にする人と素敵なハーモニーを奏でたいというコンセプトに沿って、常にお客さまの求めているものを意識したいと思っています。せっかく選んでいただく1足なので、その1足でおしゃれをいっぱい楽しんでほしい。女性にとってうれしいことがたくさんの魅力的な靴にしたいと心がけています」。
 売場に立つことが好きな川崎さんは、接客から企画のアイデアをもらうことも多い。あるとき「雨の日にはけるかわいい靴がほしい。このデザインのエナメルだったら少しの雨だったらはけるかな」という声を受け、エナメル使いの商品化を進めた。その商品がヒット商品になったのだ。
川崎さんはスタッフにいつも「どういうリクエストがあるか教えて」と話している。スタッフも川崎さんの意図を理解し、情報をフィードバックしている。そこから顧客の声や現場の意見を融合しながら、新しく企画化していく。それがヒット商品への方程式となる。

相鉄ジョイナスにオンリーショップオープン

 ヒット商品の方程式に欠かせないのがメーカーの力。はきやすくするために「中敷きをもっと柔らかくしてほしい」など、さまざまな要望も受け入れてくれる。ファッション性でこだわるのは、色と素材感。見本ではわかっていても、靴に形づくると雰囲気が変わってくる。靴にしたときにどのような雰囲気になるのか。きめ細かく打ち合わせをして、商品化を進めていく。
「ジュマペルカナデはメーカーさん育てているという意識を持っています。いろいろな面で協力していただき、みなさんに支えられています」。
 その成果もあり、昨年8月、同じ相鉄ジョイナスの地下1階にジュマペルカナデのオンリーショップがオープンした。川崎さんはジュマペルカナデの店舗もプロデュース。パリの美術学校に通っている女の子のアトリエをイメージしている。
「カナデにもジュマペルカナデにも自慢のスタッフたちがいます。みんなで力を合わせて、さらに多くのお客さまにジュマペルカナデを知っていただきたいです」。
 2016年春夏の店舗テーマは「Un nouveau depart(新しい始まり)」。人はそれぞれ、自分のスタイルやスピリッツを持っている。それぞれの人の新しい始まりに彩りを添え、心弾むお手伝いをするのが、川崎さんであり、店舗スタッフであり、オリジナルブランドのジュマペルカナデだ。


三中井
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