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特集 リクルート&フレッシャーズパンプス<ショップレポート>
 そごう横浜店

疲れにくい靴選びに応えるシューフィッター、PBパンプス

リクルート&フレッシャーズ向けのブラックパンプスは、1月に入ってからすぐ動き出した。昨シーズンに比べ、若干早めである。同店のブラックパンプスの柱は、プライベートブランド「リミテッド エディション」で、これにワコール「サクセスウォーク」を加え、約120足を集積している。
人気があるのは、リミテッド エディションのブラックパンプス。ヒール高は3・5〜5cm、スクエア、ラウンド、ポインテッドといったトウの形はそれぞれ好みによる。最近はややポインテッドトウが増えている傾向にある。価格帯は1万円前後。
また、ブランド指名の場合はサクセスウォークが多い。サクセスウォークは価格帯が約2万円前後となるため、価格帯でもう少し低いものということで、別のブラックパンプスを選ぶケースもある。

シューフィッター開発した機能性を満載したPB
同店を訪れるリクルート&フレッシャーズが求めているものは、「足が痛くなりにくいパンプスを選んでくれる」「靴選びの相談にのってくれる」「サイズ調整をしてくれる」「品ぞろえが豊富」など。それらが同店の強みでもある。マスコミ情報や口コミなどで広がり、期待を寄せる顧客が多い。
その期待に応えるのが同婦人靴売場のシューフィッターや販売スタッフだ。3人の上級シューフィッターが在籍しており、彼らと靴メーカーが協力して開発したプライベートブランド「リミテッド エディション」のブラックパンプスは、機能が満載されたパンプスだ。かかとが脱げにくいように、かかとにクッション材や滑り止めが施してある。中敷きのクッション性はもちろん、甲や親指、小指のあたる部分にクッション材が施されており、足当たりがとてもよい。返りもよく、歩きやすい。
 リミテッド エディションでは、甲が薄くてかかとが細いという人に向けたブラックパンプスも提案している。近年の日本人女性の足の特徴を形にしたもので、甲の薄い人が増えているという傾向もあり、人気が出ている。

レベルの高い接客で顧客満足を得る
 ブラックパンプスの場合、サイズへのこだわりや歩きやすさは、通常のパンプス以上のものがある。そのため、フィッティングも慎重に行う。
例えば通常23・5cmのサイズをはいている人に対しては、23・5cmと23・0cmのサイズ違いをはき比べ、さらにヒール高の違いをはき比べるなど、最低5〜6足のパンプスを比較してもらう。
試しばきの場合、はいてすぐに「ちょうどいい」と言われることが多いが、それだけでは判断しない。
「親指や小指を動かすことができるか、つま先に遊び(ゆとりの隙間)があるか、かかとにゆるみはないかなど、サイズが合っているか慎重に見極めていきます」(婦人雑貨部・店舗マーチャンダイザー・上坂一広さん)
一度試し歩きをしてもらい、歩きいている状態も観察する。同時に、通勤を兼ねたパンプスなのか、オフィスの中だけではくのか、営業職か事務職かなど、さまざまな要望を会話の中から得て、それに合ったパンプスをすすめる。外反母趾など足に悩みがあり、靴選びが難しい人に対しては上級シューフィッターにリレーションをするケースもある。






 ホワイト ザ・スーツカンパニー新宿店


スーツとのコーディネイト販売で、9800〜1万4000円の靴を販売

 青山商事は2月26日、「ザ・スーツカンパニー」で初となるレディス専門店「ホワイト ザ スーツカンパニー」1号店を東京・新宿通り沿いの商業ビル内にオープンした。
 女性の就業率が上昇し、女性管理職の比率引き上げを政府が発表したことで、女性の社内プレゼン機会が増えるなど、今後通勤や仕事でスーツを着用する女性が大幅に増加することが予測されている。ただ従来型店舗にみられるような、メンズとレディスを合わせた総合型の業態ではなく、豊富な品ぞろえと幅広い年代に対応できる“今までにないレディス専門店”が必要とされてきた。青山商事では初となるレディス専門店となる。
新宿店は約120坪の大型フロア。「白」を基調とした店内で、明るくゆっくりと買い物のできる店舗空間に仕上げられている。
メインエントランスを入った入口側は、オフィルウエアとしても活躍するトレンド感のあるオリジナルアイテムや、カラフルなインポート雑貨などをそろえた。ゆったりと選べる店奥側は、「ザ・スーツカンパニー」や「ユニバーサルランゲージ」が得意としてきたレディススーツやブラックフォーマルを並べた。スーツは「価格・デザイン・機能・サイズ」などの幅広い切り口から選べるラインアップとなっている。

メイド・イン・ジャパンのリクルートパンプスをそろえる
同店ではターゲットはあえて年齢を限定せず、ビジネスウーマンの「キャリア」、入卒や就職活動をひかえた「スチューデント」、女性として妻として、母親として生きる世代である「アーバンマザー」の、3つのカテゴリーで表現している。
「“働くすべての女性たち”がコンセプトなので、ヤングやミセスといったくくりはありません。ただ皆さんからよく耳にするのは、『私たちの着る服が見つからない』という言葉です。働き方の選択肢は増えたのに、服を買うところには困っています。そんな方々に、この店の存在を知ってもらい、お客さま一人ひとりのワークスタイルに合う服選びをお手伝いさせていただければと思っています」(小林加奈ショップマネージャー)
 「ザ・スーツカンパニー」のレディスの売上げのうち、靴の構成比率は高いものではないが、スーツと一緒に靴やバッグをコーディネイトされるお客が多いため、靴の品ぞろえは不可欠だという。
なかでもベーシックな黒のリクルートパンプスは全部で4型。一型をのぞき全てメイド・イン・ジャパンの革製で、木型からのオリジナル品。5〜5・5pの歩きやすく安定感あるヒール、消臭抗菌仕様、コツコツいわない消音ヒールを採用した。9800〜1万4000円と価格を値頃に抑えられるのは、企画から生産まで一貫したSPA方式を取っており、工場の閑散期を利用するなど工夫を凝らしているため。
「学生の方は、今までスニーカーやフラットシューズをはいていたので、ヒールに違和感のある方も少なくありません。まずは必ず両足ではいてもらい、横幅を合わせて痛みの原因を取り除きます。1日の歩く時間やライフスタイルなどをおたずねし、バッグにはフラットシューズをしのばせるなど、女性スタッフならではの実体験をお話ししています」
最近では、安さだけでは選ばれないということを実感しているという。価値観のあるものを提案し続ける必要を感じているとのことだ。