坪谷聡子(アジアリング)
ファッションアイテムとして支持されたスニーカー
靴はレディス、メンズともに大ヒットがなく、苦戦を強いられた1年となった。しかしサンダルに復調が見られるなど、来年に向けて期待できる点も出てきている。
スニーカーは好調を持続。バリエーションが増え、客層も幅広くなった。しかし、これまでのスニーカーブームとは、お客さまの選び方が異なっており、商品選択、陳列などにも変化が求められてきている。

ランニング系スニーカー
今回のスニーカー人気をけん引していたのは、ベーシックなレトロスニーカー。その勢いが落ち着き、今年はハイテクソール+ベーシック、シンプルアッパーを使用したハイブリッドなランニング系スニーカーが、ファッションアイテムとして支持された。
特に今年は色がポイントで、黒×白、白単色など、モノトーン系が男女ともに売れ筋となった。
カジュアルパンプス
今年も高寸、ピンヒールのフェミニンパンプスは苦戦。その中でチャンキーヒールを中心とした、カジュアル感のあるパンプスの人気が高まっている。ポインテッドトウ+チャンキーヒールのパンプスは、モードなイメージもあり、支持された。
今年は季節に関係なく、セパレーツタイプが実売化。素材、色でシーズン性を表現することで、端境期での人気も高かった。
コート系スニーカー
ここ数年、実売として貢献しているコート系スニーカー。スニーカーという範ちゅうを越え、大人世代のカジュアルシューズとして、完全に定着した感がある。
春夏は白に人気が集中。秋冬には黒、ネイビー、カーキなどの秋冬カラーも実売につながっている。また、スエードタイプも登場。より色の重要度が増している。
キャンバススニーカー
レディスでは春の主役に躍り出るキャンバススニーカーだが、メンズでは例年、レディスほどの人気とはならない。しかし今年は、メンズでもキャンバススニーカーが実売化した。
今年はスリッポンの人気が高く、キャンバスオックスフォードなどのレースアップタイプよりも、動きが良かった売場も多い。柄物、赤などの色物も好調だった。
ファーサンダル
アパレル、セレクトショップなどでは、すでにヒットしていたファーサンダルが、今年は専門店でも実売化。立地、客層などにより動きに差があったが、新しいアイテムとして注目された。特にセール期に初秋アイテムとしてプロパー販売できることは嬉しい限り。
今年は一枚甲に、毛足の長いファーをのせたサンダルが主流。ティーンズだけでなく、ミセス世代にも支持された。
低寸サンダル
サンダルの主流はハイウエッジタイプだったが、今年は例年ほどの勢いがなかった。代わって、いつもなら盛夏にしか動かないフラット〜低寸タイプのサンダルが、初夏期から人気となり、盛夏まで好調を持続した。楽ちん、歩きやすいことと、装飾やシルエットできれいさを表現したことで、盛夏のベタサンダルとは異なり、機能的なファッションアイテムへと昇華した。
ソフトカジュアル
エフォートレススタイルが一般化したことで、ファッションにも楽ちんさを取り入れることが、普通になった。そこで靴にも、足当たりの良さ、ソフト感、リラックス感が求められるようになっている。
今春夏は一枚革のソフトカジュアルがヒットし、秋冬にも継続している。ゴム使いのサンダルも支持された。どちらもボリューム感を排除し、すっきりときれいに仕上げていることがポイント。
アウトドアサンダル
昨年、トレンドとして注目されたアウトドアサンダルが、今年は実売となった。
「キーン」「テバ」などの定番アイテムが主流だが、今年はアパレル、セレクトショップでの扱いも増え、レディス人気が高まった。特に白、黒のモノトーンの取り入れが増えたことで、アウトドア系でもモードなイメージとなったことが人気の要因。ソックスとのコーディネイトも広がった。
ギリーパンプス
今春のスポットヒットとなったのは、ギリーパンプス(レースアップパンプス)。タンがなく、ヒモ環にヒモを通した、カッター形状のアイテムが主流。最初に登場した時は、足首にひもを結びつけるデザインが多かった。
今年は、ひもをゴムにする、バックファスナーをつけるなどし、はきやすさを考慮したことで、マスゾーンにまで広がった。
Dr.マーチン
苦戦を続けるレディス、メンズの中で、孤軍奮闘していたのが「Dr.マーチン」。メンズではここ数年、ローカットタイプの3アイレットが実売となっていた。
レディスでも今秋、ワークブーツが注目されていることで、8ホールが人気となっている。ブーツではあるが、夏にもはけることで支持率は高い。低価格コピー品ではなく、本物が求められている。
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