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プロが教えるインソール&フットケア販売ノウハウ

関根孝夫さん(シューフィット・セキネ代表)が教える インソールはこうして売る!

 「『足と健康』の関連について、これまで以上に注目されるようになってきました。足にトラブルがあれば、歩き方や姿勢に影響が出て腰や膝の痛みも引き起こします。靴を足に適正にフィッティングさせ、足のトラブルを未然に防いだり、痛みを緩和したりする働きをするのがインソールです。インソールを取り扱うには、足に関しての知識が必要です」(関根孝夫代表)。


1 お客さまの靴をみる
ご来店の際、セルフ販売のお店でなければ、座って試しばきをしていただくことになります。そのときに、お客さまのはいていた靴をチェックしましょう。靴を見れば、蹴ってばかりいる、かかとから着地していない、などその人の歩き癖がわかります。膝や腰が痛い、外反母趾だ、と言う場合は、インソールをお勧めした方がよいでしょう。


2 足のチェックその1/足長をみる

 足の長さを、立った状態と座った状態で測定します。この時、足長差が4ミリ以上ある人は、インソールをつくったほうがいいです。手っ取り早いのは、固めで細い、ホールド感のあるインソールを片足だけ入れて店内を歩いてもらうこと。歩く感じが全く変わってくるのに驚かれる方がほとんどです。


3 足のチェックその2/足の関節の動きをみる

 足をのばしてもらって、足首の動きを見ます。底屈(下に下げる)と背屈(上に上げる)の双方をチェックします。足首が弱い人は、足首と同時に膝が動いてしまいます。これで、簡単なトラブルがみつけられます。


4 足のチェックその3/扁平足かどうかをみる
フットプリントを取ると、よくわかります。専用の機械もありますし、足の外周を描いていく方法もあります。フットプリントを取ると、土踏まずの高さがわかり、アーチが崩れているかどうかも見えてきます。テクニックがあるのなら、ペドカルテ(足専用のカルテ)を制作していきます。


5 足のチェックその4/外反母趾、強剛母趾をみる

外反母趾は足親趾の付け根の関節が外に出てしまうものですが、最近多くなっているのが親趾の関節が固くなって曲がらなくなった「強剛母趾」です。いずれも、足趾にかたよった力がかかることによって出てくる症状です。


6 足のチェックその5/足底腱膜炎かどうかをみる

 「かかとから土踏まずまでの間に、痛いところがありますか」とたずね、痛い部分があれば、まず足底腱膜炎の症状です。

7 立ち姿をチェック

 最後に立ってもらって、骨盤が水平であるかどうか、O脚やX脚ではないかなどをチェックします。


8 インソールをお勧めする

前述の項目に従って足をチェックし、インソールをつくるとどのような症状が緩和できるかをお伝えします。オーダーインソールの場合、自店で制作できる場合はプランニングに入り、設備のない場合は製作所に発注します。
 既成品は標準値でできているので、お客さまの足の形に合わせて調整します。部分パッドなどのニーズがあれば、どの位置に使ったらいいかをお教えしたほうがよいでしょう。また、インソールですべての問題が解決するわけではないことも、お伝えしましょう。


9 フィッティングのポイントは歩き方
フィッティングでは、かかとから着地できているかどうか、背筋が伸びているかどうか、肩が揺れないかなど、歩行・歩容を見ます。また、「普段ばきに使って筋肉をつけてください」というアドバイスも忘れずに。帰ろうとするときの歩き方もチェック(普段の歩き方が出やすい)しましょう。


10 次につなげる

 インソールが使えるのは、原則的には同じメーカーの同じブランドの靴のみ。一つのインソールをすべての靴に使うことはできません。靴を変えたり、体重の増減があったときなどは要チェックです。ここをきちんとお伝えし、「足が痛くなったらすぐに来てくださいね」の言葉を添えてお見送りしましょう。