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■ (L…レディス、M…メンズ) アジアリング・坪谷聡子 スニーカーは一段落、サンダルに動きこれまで市場をけん引してきたスニーカーにも、陰りが見え始めてきた。全体的にヒットアイテム不在が続いており、閉塞感が強まっている。そんな中で、サンダル復調が明るい兆しと言える。シーズン物不振が長年続いていたので、新たな傾向として期待したい。
ピンヒールのフェミニンパンプスは苦戦しているが、その代わりに浮上したのが、チャンキーヒールパンプス。太いヒールで歩きやすさや安定感があり、安心してはける。カジュアル感も演出できるので、エレガンス、カジュアル両方のスタイルに合わせられ、汎用性も高い。ヒールの面積が大きく、装飾などの遊びも取り入れられる。機能面と新鮮さを併せ持つアイテムで、人気となった。
ここ数シーズン、バブーシュを中心としたリラックス系アイテムが、ヒットしている。今年も人気は継続している。 一枚革、カウンター無しで、足当たりのソフトさがポイント。しかし、きれいなシルエットを保っており、靴として自立しているところも人気の要因。今年はラスト、デザインなどのバリエーションも増え、選択肢が広がっている。
スニーカーではナイロンメッシュやフライニットを使用した、ソフトで軽いアイテムが登場。ハイテクソールと組み合わせ、機能性の高いランニング、フィットネススニーカーが一気に拡大した。アスリート用のアイテムが主流だったが、ファッションとして支持されたことで、レディス、メンズ共にストリートでの着用が一般化した。黒、白のモノトーンが主流。ファミリー需要も高かった。
昨年から「スリッパシューズ」としてトレンドで注目されたミュール。今年は実売化した。特に前つまりミュールが拡大し、ヒールタイプだけでなく、フラットタイプにも人気が集まった。 サンダルではあるが、前つまり、カバードサンダルなど足を覆うアイテムが多く、レッグウエアと合わせて、シューズとして着用する人が多く、春の早い時期から動いた。
昨年、大ヒットしたスポーツサンダルは、今年も大人気となり、夏のサンダル浮上の一端を担った。 「テバ」や「キーン」などのアウトドアブランドは、シューズ感覚ではかれることも多かった。 今年はシャワーサンダルもトレンド化。価格が安いこともあり、一気に拡大した。昨年は一本ベルトタイプばかりだったが、今年は二本ベルト、バックベルト付きなど、バリエーションも広がった。
昨年初秋にスポットヒットとなったのがファーサンダル。ボリューム感のあるファーをあしらった一枚甲のサンダルだった。 今年はサンダルだけでなく、さまざまなアイテムにファーが用いられた。カッターやモカシンの甲部、パンプスやブーツ、カッターのかかと部など、アレンジが多様化されて登場している。ファーは今年のファッション全体のトレンドなので、注目度が高かった。
トウもかかともカウンターが付いているが、サイド部がないセパレーツタイプが実売化している。肌が見えるので、春〜夏のアイテムと思われがちだが、秋〜冬も健闘しており、年間アイテムと化した。今年はその傾向が強く、一年中動いていた。 ヒールの有無や高さ、太さなどに関係なく、いろいろなタイプが登場。アンクルベルトの付いたもの、無いもの両方人気となった。
スニーカーの勢いは弱くなってきたが、あの歩きやすさは手放したくないという人が多い。そんな流れもあり、カジュアルブランドの出しているスポーティー系アイテムが、健闘している。特にスニーカーははけないという年配の方が、スポーティーカジュアルを選んでいることが多く、ウォ−キングからの移行組も増えている。年齢、テイストに合わせたアイテム提案がなされ、支持されている。
今年もブーツは短めが主役で、ブーティを中心に動いている。特に今年はロングボトムスが多いので、ブーツ系も短めが合う。ブーティでもチャンキーヒールの比率が高まり、歩きやすさも増している。今年は丸物同様、ブーティにも装飾ヒールなどが登場した。 今年はより丸物に近いシューティ≠ェ注目されたが、シューティからショートブーツまでを含めて、ブーティ≠ニ呼ぶことが多い。
フェミニンパンプスが苦戦し、チャンキーヒールパンプスが浮上したが、一方でカッターなどのフラット系も人気となった。こちらも歩きやすさがあり、支持された。 昨年まではポインテッドトウ一辺倒だったが、今年はラストバリエーションも増加。ソールの素材、形状のバリエーションも増え、選択肢が広がっており、実売として動いた。 CHIENOWAコミュニケーション 川ア智枝 「ファー」使いなどの華やかなシーズン商品が浮上今年のヒットは久しぶりに「季節商材」が多くランクインした。数シーズン“リュック”が一位を独走していたが、「ファー」や「カゴ」などが軒並み上位に食い込んだ。ファッションそのものがシーズンレスとなり、あえて季節雑貨でメリハリを楽しんでいるともいえそう。 またカラー展開やメタリック使いなどインパクトのある資材使いのアイテムもよく動いた。ノームコア(究極のシンプル)≠ェ終わった今年は、定番品から一気に“ファッションの華やかさ”を感じさせるものが浮上。この動きは来季にも期待したい。
ベーシックなカラーよりも少しひねりの効いた素材感が浮上した。特に「ジャックゴム」のヒットもあって黒・グレーに並ぶ定番カラーとして、ブロンズやシルバーが人気を博した。パイソンやクロコといったハ虫類系でも、メタリック加工を施したタイプがヒット。また今年はスタッズ使いも復活しており、こちらは来春にも期待できるディテール。
ファーは今年のヒット素材のひとつとして大きく貢献。アパレル、シューズ、アクセサリーなどあらゆるジャンルにファーあしらいのものが登場。特にバッグでは取り外しできる“リムーバブル・ファー”の存在が大きい。取り外せば通年持て、付け替え可能なファーハンドルなど、提案アイテムのアレンジも加わった。
ファーと並んでカゴも、今シーズンは元気なアイテム。籐やラフィアといったナチュラル素材から、アフリカンなマルシェカゴまで材質はさまざま。またカゴにファーを付けた季節性を問わないものも人気。カゴとファーは季節商材として連動しているので、この二つは今年の二大巨頭。
ノームコアが終わり、今年はカラー&プリントを意識したブランドも増加。あえてブライトカラーを全面に打ち出すことでアイキャッチにもつなげている。これまでのようなブランドのくくりではなく、カラーでのくくりで新鮮さを出すことに成功したところも増え、「色」がMDのうえで重要な役割を果たし始めたシーズンだった。
前回もメンズ部門では1位。メンズの動きが見えにくいなかで、サコッシュは着実にマーケットに認知され拡大した1年だった。フェスやキャンプ、自転車、ランニングといったオフシーンでのニーズとして、ボディバッグの次なる成長株として期待されている。
実際リュック自体は売場では隠れた1位とも言われるが、最近では定番化し、一巡したことで新鮮さも薄れてきた。その中でも、エレガントなフォルム感やディテールで小ぶり<Tイズのリュックが浮上。ハンドルをつけて手提げで持てる2ウエイ仕様など、小ぶりならではの工夫が見られる。
バケツ型は去年から継続しており、今年もファー付属などで人気が落ちない。その派生形として「バニティ」型が浮上した。かっちりしたクラシカルなフォルム感が新鮮。スタッズやファーをあしらったアレンジタイプも人気に。
ファスナーをあえて見せず、外ポケットも排したクールなデザインのリュックが男性に支持された。代表ブランドは「インケース」。ビジネススタイルがリュックやトートへとカジュアル化するなかで、デジタルガジェットがスマートに収納できる機能性と、ジャケットにも合わせやすい外観が特に重宝された。
「ハンドメイド」や「クラフト調」がこの秋から拡大してきたこともあり、レザーではメッシュが注目されてきた。一般的には重いとされるメッシュを、馬革やゴートなどで軽量に仕上げたものが特に人気が高い。この動きは春にも期待大。
バッグの顔を手軽に変化させたいというニーズから、「スカーフ使い」はこの春夏も人気が高かった。ハンドルに巻き付けたり、チャームのように結んだりと、アクセサリー感覚で取り入れる人が増えた。 |
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