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女子力が動かす エース

働く女性のためのバッグを、女性中心のチークで開発

女性の働くシーンで快適に使えるバッグ

総合バッグメーカーのエースは、「プロテカ」「エース」「カナナプロジェクト」など自社オリジナルブランド製品の製造・販売をしている。また、業界初のナイロン、合成皮革製のカバンを開発し、市場に広めた企業でもある。
トラベルからビジネス、デイリーまで全てのシーンで移動を快適にするブランド「エース」には、働く女性に向けたビジネスバッグ「ワークスタイルビューティーズ」というカテゴリーがある。
開発の中心メンバーはMD統括部・山口彩乃さんとデザイナーたち。マーケティングは、マーケティング部PR・広報担当チーフ・森川泉さんが担当した。
「開発にあたって意識した部分は、長年培ったビジネスバッグの機能性を生かしつつ、しかも女性に向けたデザインや機能を盛り込んだところです」(山口さん)。
たとえばハンドル部分。ビジネスマン向けのバッグは、ハンドル部分が短く太く、握りやすいタイプだが、女性は肩にかけることが多いため、ハンドルの丈を長くして、肩にかけても食い込みにくい形状にした。また、女性のスーツはポケットが少ないために、バッグに小ものを入れるポケット機能を盛り込んだ。バッグ本体にも、繊細な素材を使われることが多い女性の服を傷めないよう、滑らかで軽い生地を採用した。


女性に加え、男性の需要も掘り起こす

「難しかったのは、ジーンレーベルのイメージを保ちつつ、しかも女性に向けてのバッグという部分。ジーンレーベルには男性のギアイメージがありますから、その部分を崩すことなく、女性らしさという部分を入れ込んでいかないといけないところでした」(山口さん)
社内の女性の営業メンバーにヒアリングし、空港や街中に出かけて実態をリサーチ・分析し、要望も反映するなど試行錯誤を重ねていった。
そして、昨年9月、ベーシックなビジネスバッグなど3シリーズが発売された。反響は大きく、「こんな営業バッグがほしかった」「以前はメンズバッグを持っていたけれど、女性向けなので使いやすく、細かいところにおしゃれ感があってうれしい」などの声が届けられた。
また、ビジネスマンからも「肩にかけるものがほしかった」「こういう感じのバッグをさがしていた」といった反響があり、男性の需要掘り起こしにもつながった。

やりがいを感じながら、次の開発を構想

第2弾はビジカジテイストの背負えるタイプ。このバッグも好調な売れ行きとなった。
第3弾は、今年9月発売した大きなポケット付きのスーツケース。カラーもソフトなベージュ、ブラウン、ネイビーが登場し、評判を呼んだ。
第4弾は来春発売の管理職に向けたビジネスバッグ。スーツを着用することの多い女性向けのバッグで、カードホルダーが付いたフロントポケット、スーツケースへのセットアップベルト、長さが調整できるハンドル、床に置いても自立する底鋲付き底部など、働く女性の声をもとに考案された工夫が施されている。
「こういう商品を待っていましたというお手紙をいただいたり、街中で自分たちが開発したバッグを持っている姿を見かけたりすると、やりがいを感じます。第5弾は20代、30代に向けたモデルがあるといいと考えています」(山口さん)。
「ワークスタイルビューティーズは始まったばかりです。まだ女性への認知度が低いので、市場でもっと知られるようにしていくのが私の仕事になります。どんどんアピールしていきたいですね」(森川さん)。
 女性が活躍する時代を迎え、働く女性に向けたバッグの需要はますます高まりそうだ。


エース
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TEL 03−5843−0606.