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 MELON&CO.(メロン・アンドカンパニー)

大澤慶久さん

型押し革で果物を再現した革小物を展開する

極限までメロンに近づけ革を開発

 メロンとしか思えない触り心地の、緑色の牛革に、メロンの赤い果肉を思わせる牛革を合わせた名刺入れや長財布。「メロンな革小物」というキャッチコピーがぴたりとはまる「MELON&CO. (メロン・アンドカンパニー)」は、2016年に生まれたばかりの革小物ブランドだ。
 運営するandcompany(アンドカンパニー)の大澤慶久さんは、ビジネス誌やファッション誌の編集者を経て、何かモノづくりに携わりたいと07年に独立。あるタンナーとの出会いを機に、革や型押しのとりこになったという。
「型押し機をうまく使えば紙も布も、クロコ柄に早変わりすることに衝撃を受け、タンナーさんといっしょに、皮革の製造工程を布に応用したタンナーコットンを開発するなど、革や型押しの可能性に挑戦してきました。メロンな革小物もその流れの中で生まれたもの。ノウハウを駆使して、極限までメロンに近づけています」。
 デザインを担当しているのは坂昭代さん。試作を繰り返し、16年の夏に第1弾をネット販売で開始。17年3月に浅草近くに直営店「MELON&CO.」もオープンした。17年9月、思わぬ大ブレイクの機会が訪れる。

夕張市長との出会いで大ブレイク

「せっかくメロン柄の革小物をつくったのでメロン業界にアプローチしようと、全国のメロン業者が一堂に会するメロンサミットに17年7月に出展しました。そこに夕張市長が来られていて興味を持っていただいたようで、9月に名刺入れを個人的に購入いただき、しかも写真付きでツイッターに投稿なさったのです。これが大きな反響を呼び、テレビや雑誌での取材も相次ぎ、一時は在庫切れになるほどの人気を呼びました」。
 夕張市との縁を生かし、市役所や農協職員に名刺入れを寄贈し、ふるさと納税の返礼品として活用してもらうほか、夕張市内での販売も検討している。
「ほかの産地の代表的な果物の模様を生かした革の開発も計画しています。各産地と直接結びつき、今までにないブランドづくりをしていきたい」と大澤さん。ジューシーなフルーツを思わせる革製品は、農業の活性化にもひと役買っている。