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特集 これからは、「スポーティー・コンフォート」 市場の動き



スタイリッシュ・コンフォートの有力アイテムに

コンフォートシューズの新しい流れとして、フットウエア・プレスではスタイリッシュ・コンフォートを取り上げてきた。履き心地の良さはそのままに、デザイン性も兼ね備えたものである。このスタイリッシュ・コンフォートの最近の商品傾向として、市場でのスニーカー人気を背景に、スポーティーなデザインが増えており、それが既存のコンフォート商品の購買客に買われているほか、新たな若い顧客を開拓して売れている。
一方、これまでアスレチック商品として、スニーカーの目を向けなかった層が、カジュアル商品の一つとして、スニーカーを購入するようになっている。ここではファッション商品として買っており、コンフォートから入ってきた層ではないが、コンフォート性を備えたスポーティーな靴であることが、購買動機のひとつになっている。
特集ではこうしたスニーカー調の商品をスポーティー・コンフォート≠ニしてくくり、最近の市場の動きを見た。

市場のスニーカー人気で、コンフォートもスポーティーに

小田急百貨店新宿店では3年ほど前から、40〜60代に向けて「モードコンフォートゾーン」を婦人靴売場に設けている。これまでのコンフォートゾーンの進化形として、デザインも良く、機能性も充実した商品を集積して展開している。ここではコンフォートブランドのインポート商品のほか、スニーカー調のスポーティー・コンフォートを提案している。
東京・自由が丘のビューフォートは、ブランド立ち上げ時からスタイリッシュなコンフォートを展開しているが、最近はスニーカー調デザインの商品が増えている。「これまでスニーカーを履いて来なかった人たちが、カジュアルなシーンや通勤用として、スポーティーな靴を求められます」という。
特徴的なソールのローリングシューズで履き心地の良さを提案する「リゲッタカヌー」では、カジュアルタイプをさらにスポーティーなデザインにした、レースアップ・タイプのローリングシューズを打ち出している。これも時流のスニーカーをリゲッタカヌーなりに表現したもので、人気商品となっている。

スポーティーなコンフォートで顧客層が拡大

地元商店街の中に出店するフィールは、60歳以上の女性が主な客層だが、最近はハイカットのスポーティーデザインのブーティや、白のウエッジソール、スニーカーソールを使った商品も並べている。固定客の多くがこれまでのコンフォート商品では満足せず、カジュアルなデザインを求めているという。その一つがスポーティーなコンフォートで、これまでにはなかったデザインとして、人気となっている。
京王百貨店新宿店では、「アキレス・ソルボ」をコンフォートゾーンで展開しているが、今春からはスポーティーなデザインのリラックスシリーズ≠投入している。これが、40〜50代とこれまでより若い年齢にまで、購買層が広がっている。
横須賀市のわかまつ靴店も「アキレス・ソルボ」には多くのファンがついているというが、新たに明るいカラーのスポーティーなデザインの打ち出しが、需要の活性化につながっており、若い客層もの人気になっている。
「アサヒメディカルウォーク」で実績を伸ばしている東京・小岩のカネコ靴店では、ていねいな接客販売で機能性を説明するが、売れ筋商品の多くがヒモタイプのスポーティーな商品である。

「スニーカー通勤」「クールビズ」提案の有力アイテム

3月からスタートした「FUN+WALK PROJECT」。ここでの有望な商品としてスポーティー・コンフォートがあり、ファッション性も意識したスニーカーを取り上げる売場もある。
東京・巣鴨のアルプスシューズでは、「歩いて健康」という店のテーマと「FUN+WALK」の考え方が共通することから、いち早く同キャンペーンに参加し、売場には「FUN+WALK」POPを提示している。ここでは、花柄や光る素材、メッシュ、レーザーカット、ニットなどこれまでのコンフォートにはなかったようなものを使った、スポーティーなデザインの商品を提案している。
マルイ池袋店では、3月に「FUN+WALK」提案をメンズで実施しているが、これが好評だったことから、レディスでも実施する計画だ。実際、売場ではオン・オフでスニーカーを履きたいという顧客が増えているという。このため、シンプルなデザインのスニーカーを取り上げ、スニーカーを中心としたコーティネイト提案も検討している。また、すでに定着しているクールビズ≠フ足元の提案として、スニーカーやスポーティーな商品をアピールする意向だ。