今月の記事・ピックアップ 2018・12
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■ (L…レディス、M…メンズ)


      アジアリング・高橋悟史

足入れの良い、フラットサンダル&パンプスが人気 

2018年の靴の売れ行きを振り返ると、「ハイブリッド」や「組み合わせ」、「中間テイスト」などのキーワードが浮かび上がってくる。「ローヒール/フラット」のパンプスやサンダルがエレガンス志向の高い女性に支持され、トラッド短靴をプラットフォームやヒールアップでアレンジ、スニーカーソールがビジネスからミセスのデイリーシューズまで大ヒットするなど、従来の視点とは異なる新しい発想の靴が大きなヒットとなった。




 横綱  フラットサンダル&パンプス L

これまでローヒールやフラットソールはカジュアル靴と認識されてきたが、2018年はエレガンス志向の高い女性と、OLの通勤靴として大活躍した。特に本革のフラットサンダルは、従来のリゾートサンダルと異なる雰囲気でエレガンス志向の高い女性に大きく注目された。また、ローヒールパンプスは、足入れの良いお洒落パンプスとして、若いOLたちにも大人気となった。



 大関  チュール&レース、メッシュ L

婦人靴のディテールでは、「チュール&レース、メッシュ」が大ヒットした。ミセスイメージの強かったこれらのディテールが、究極のヤングトレンドとなった。アパレルトレンドと連動する動きで独特の「透け感」が可愛いと評判になった。パンプスやローヒールパンプスを中心に、梅春〜初秋までロングヒットを記録。



 大関  プラットフォーム L

90年代を彷彿するスーパー厚底のプラットフォームが大復活。夏はスポーティーサンダルで登場し、秋はスーパー厚底のオックスフォード、ローファーなどがヤングで大ヒットとなった。本来、アバンギャルド色の強いスーパー厚底だが、ローリーズファーム系のフェミニンなカジュアルスタイルでも取り入れるのが2018年らしい。



 関脇  ダッドスニーカー L、M

世界的に注目される「ダッドスニーカー」が、2018年は男女共に大ヒット。先行する「バレンシアガ」だけでなく、プーマやフィラなどのスポーツブランドから、アパレルブランド、シューズブランドの提案商品もヤングの間で人気となった。



 関脇  ヒールアップ・トラッド L

オックスフォードやローファー、オペラシューズなどのトラッド短靴(おじ靴)は、チャンキーヒールのヒールアップタイプで登場。カジュアルとエレガンスとミックスした雰囲気が受け、ヤングのビッグトレンドとなった。



 小結  ハイブリッドドレス M

ファッション性と機能性を融合させた「ハイブリッドドレス」が、ファッション感度の高いビジネスマンに大きく注目された。これまでの機能ビジネスとは異なり、「見た目はドレスシューズ」、「履き心地はスニーカー」という、大胆な組み合わせがビジネス靴の新スタンダードとなった。



 前頭一  エレガンススニーカー L

これまでスニーカーに抵抗があると感じていた女性にも、「サヴァサヴァ」や「アンヨ」など靴ブランドの提案する、女性らしいスニーカーカジュアルが大人気となった。一方、ミセス世代のノンエイジ感覚シューズとして、黒と白、シルバーのスポーティーカジュアルが年間で売れ続けた。



 前頭二  チャンキー&変形ヒール L

パンプスからサンダル、トラッド短靴、ブーツまで、2018年も引き続きチャンキーヒールが主流となった。感度の高い革靴ブランドでは、チャンキーの形状をアレンジした、変形ヒールが登場。プレーンなアッパーと個性的なヒールの組み合わせが、靴好きの女性たちに注目された。



 前頭三  ビジネススニーカー M

「FUN+WALK PROJECT」(縦書きに)と連動する流れで、ビジネススタイルでも様になるスタイリッシュなビジネススニーカーが登場した。ややロングノーズで本革を使用した、カジュアル靴ブランドの提案するアイテムが、節度のある大人スニーカーとしてビジネススタイルで注目された。



 前頭四  カラーパンプス L

シーズンカラーを取り入れたカラーパンプスが、コンサバ&通勤スタイルで人気となった。「ベージュ」や「ライトグレー」などのアースカラーは、年間通じて定番カラーとなり、春はピンク、ラベンダー、イエローなど、秋はパープル、グリーン、赤等のシーズンカラーが実売となった。季節の変わり目に、シーズンカラーのパンプスを楽しむ傾向が見られた。


西 バッグ   CHIENOWAコミュニケーション 川ア智枝

小型、軽量、ノンレザーが市場をリード


 バッグは際だったヒットアイテムが少ないなかで、“軽量感”のあるものは売場でも不可欠な存在になった。前シーズンから継続して人気のものも少なくなかった。リーズナブルで今年らしさが出せる「ウエストポーチ」や「巾着バッグ」のような、小ぶりアイテムも、若い世代から幅広く支持された。
 また「キャッシュレス時代」の流れから、一気に薄くて小さい財布が席巻、コンパクト化の流れを加速させている。




 横綱  コンパクト財布 М、L

2020年オリンピックイヤーに向けても、官民挙げて推し進めている「キャッシュレス」。スマホやカード決済の仕組みもそろい、ラウンド型のような大きな財布を持つ必要がなくなってきた。二つ折り、ミニラウンド、三つ折り、薄型など、コンパクト財布と男女ともバリエーションも広がり、流れが加速している。来年も要チェックアイテムだ。



 大関 ウエストポーチ М、L

リバイバル・アイテムとしてヒットしているウエストポーチ。スポーティーブランドからカッチリした革ものまで、アイテムバリエーションも広がった。サイズもあまり大きくなく、ベルト代わりやアクセサリー感覚で取り入れるコーディネイトがメイン。トートやリュックなどと2個持ちも目立った。




 大関 クリア素材使い L

意外なヒットを飛ばしたクリア (PVC) 素材のバッグ。これまでリゾートやビーチのイメージが強かったが、今年はインバッグにポップな柄のポーチなどを入れて、タウンユースする持ち方が目立った。組み合わせ次第で、自分らしいオリジナリティが表現できるところも、人気ポイントだった。




 関脇  ライトウエイト L

「軽さ」を求める人たちが増え、ノン・レザーや軽い「馬革」などがヒットしたシーズン。また革の付属を一切使わず、オール布帛素材のものも支持された。特に「ジャックゴム」などの圧倒的な軽量感は根強い人気となった。しばらく「軽量」を求める傾向は続きそうだ。




 関脇  キャンバス素材 L

軽量感ともリンクし、ナチュラル&ベーシックなアイテムとしては、キャンバス素材が地味ながらよく動いた。カラーバリエーションも豊富で、革付属で付加価値を高めたものも人気となった。また、キャンバストートに大きなロゴマークを入れたタイプなどは、若い世代には受け入れられでヒットした。



 小結  メンズ巾着 М

登場したときは、「えっ?」という反応のメンズ巾着だが、市場に出てみると「小ぶりが使いやすい」とか、「首から掛ける」など意外にも好評で浸透した。メンズブランドのラインアップ中にも加えられたが、供給側の心配を他所に、完売したというところも少なくない。来期も期待大のメンズアイテムだ。



 前頭一 アニマル柄 L

久しぶりにアニマル柄が復活した。アパレルでも提案が多かったが、バッグは部分使いでさりげなく取り入れものが人気となった。ナイロンにプリントされたアニマル柄も登場し、シーズン問わず持てるところも支持された理由だ。




 前頭二  メタリック、シルバー М

年間を通して人気が高かったメタリック使い。ゴールドやラメというよりも、マットな質感のシルバーメタリックが多く見られた。白の代わりとして取り入れたものや、黒や白とコンビ使いするなど、モダンなイメージの表現が目立った。



 前頭三  ミニサイズブリーフ М

A4サイズも入らないような、コンパクトサイズのブリーフが、もはや書類すら持たないサラリーマンに支持されたのか、ヒットした。また、リタイアしたお父さん世代が“クラッチじゃ不便”というニーズに応えたのか、男性のかくれたニーズで売れた。




 前頭四  カラフルファー L

季節商材は落ち着いたとはいえ、この秋冬はやはりファーの動きも無視できなかった。カラフルに染めたタイプや、 “エコファー”と呼ばれるフェイクファー、ムートン調などバリエーションも多岐にわたった。また、取り外しができるものもあり、客層も広がっている。