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第96回リネアペッレ展レポート

ナチュラルとハイテクの両極で新しさ見せる

世界の資材トレンドを決定づけるレザーフェア

第96回リネアペッレは、2019年2月20日から3日間の日程で、伊・ミラノのロー見本市会場で開催された。
出展社は前年同期とほぼ同レベルの1255社、4万7500uの展示スペースに49ヵ国からの出展社が、2020年春夏素材を発表した。
114ヵ国から2万人以上が来場し、前年同期比1%となった。増加したのはポルトガル(6%)、アメリカ(6%)、フランス(2%)、イギリス(2%)、スイス(8%)、インド(7%)、中国(2%)、日本(19%)、ロシア(29%)と、グローバルなリーダーシップを取る見本市であることを確実なものにした。
伊テキスタイルメーカー・フォンタネーラ(FONTANELLA)では、「パリの見本市にはここの半分の来場者数しかなく、今回、フランスからもリネアペッレへの来場が多かった」と語っている。
2月展は機械&テクノロジーのシマック・タンニングテック(SIMAC TANNING TECH)が併催された。中には日本から来た来場者のように、工場の人手不足解消のため、将来は一部をロボット化する考えでの視察も見られた。
見本市の状況を見ると、高級ブランドとの商談はハイクオリティの追求が活発になっている。しかし、多くのクライアントはよりタイムリーな素材供給を求めていた。

 TREND
Leather(レザー) ラグジュアリー感がさらにアップ

 全体的に大きな変化はないが、高級感を追求する素材の加工はレベルアップしている。ミラー風、パール仕上げ、ベルベッド調などラグジュアリー感を醸し出すレザーがさらにレベルアップして提案されている。
 クリアで明るい色が多い中で、多くのタンナーが艶感のある黒をトレンドカラーとして挙げている。カジュアルブランドをクライアントに持つタンナーは、引き続きネオンカラーが人気と語っている。
 仕上げでは、クラッキング、モチーフでは、レオパード(ヒョウ)が人気のようだ。




Non Leather(ノンレザー) 人気は加工モノとナチュラル素材

 トランスパレント、プリーツ、フラワーやゼブラ、レオパード柄はノンレザーでも人気モチーフ。明るい色合いのラミネート加工やファーの人気も継続している。
 その一方で、ラフィアやコットン、リネンなどナチュラル素材が注目されている。



 注目マテリアル

バブルソールを提案した「Vibram」


 今シーズンの「ヴィブラム」は、商品ではなく、新しいコンセプトを提案している。見本市会場では、泡をイメージしたというビニールハウスに、“バブル”ソールを採用した靴をぶらさげてのプレゼンテーションをした。
 ミッドソールとアウトソールが一体化したバブルソールは、軽くてクッション性があり、空洞デザインが風通しを良くするため、夏でも快適に過ごせる。ソールのデザインは、目を引くような効果を狙った形状にしている。
ほかに、通常のライトソールより50%薄く、30%軽くしたソールを使ったプロトタイプのシューズを提案した。