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元気店 くつ家ともだ(愛媛・松山市)

新たに郊外商圏に進出し、コンフォートで新規顧客を開拓

今治の老舗靴店が松山市郊外に出店

 愛媛・今治市内の中心商店街に本店のある「くつ家ともだ」。初代が明治時代に傘専門店を創業し、履物店を経て現在に至る老舗靴専門店だ。代表の友田康貴さんは三代目になる。
3年半前に、松山市の郊外に新店舗を出店した。今治本店とはまた違った新たなチャレンジに取り組んでいる。
「この立地は、高速道路のインターからほど近く、県下南部からの集客が期待できます。また、地元商店街の中にある今治店とは商圏が重なりません。客層も品ぞろえも異なり、ここではゼロからの顧客開拓でした。最初は苦心しましたが、社交的な妻が店長を務めたことで、地元の方が徐々にリピーターになっています」と奥様のゆかりさんについて、友田社長は笑顔で話す。
この店では履きやすい靴のほか、下駄やソックス、雑貨もそろえており、店内の修理工房も設け、靴リペアからお手入れまで手掛けている。“靴と足周りについてのプロフェッショナル”を自認する。


リビングの雰囲気でコンフォートを販売

店舗は30坪ほど。グリーンのテントにレンガを敷いたファサードで、落ち着いた雰囲気の気軽に入れる。広々とした店内は“家のなかに家”があるような、屋根をあしらったデザインがユニークだ。これも「お客さまがリビングのようにくつろいでもらいたい」と、友田夫妻がこだわった点だ。
今治店では1階が「のさかの靴」をラインアップ、2階がスポーツやカジュアルタイプなどのセレクトで品ぞろえ。対して、松山店ではコンフォートに特化した店づくりにしている。取り扱いブランドも、「ストレッチウォーカー」や「タマキ(TAMAKI)」の下駄、「エジェクト」など個性的で歩きやすい人気ブランドが多い。また「ジョリアファースト」のオクスフォードは、カラフルなレザーをそろえてカラーオーダーも受注している。


顧客が笑顔になれる靴を フィッティング販売

 友田ゆかりさんは、カサハラ式フットケアも学び、足のトラブルを抱えた方にテーピングのケアなどを行っている。足型を採寸する部屋もあり、そこでじっくりヒアリングし、それぞれの足に合った靴をフィッティング販売している。
「足の痛みで病院に行かれたり、フルオーダーの靴を作ってみたりと、色々なことをされて、最終的にうちに来る方も少なくありません。時には足のマッサージを施すなど、悩みに寄り添いながら接客していくうちに、前向きになれる方がいるのはとても嬉しいです」とゆかりさんは話す。
自分の足に合った靴がやっと見つかり、一度に3足購入した方もいるという。こうした信頼関係が、客単価が3万円ほどと高額になっている。
二人が描く共通のミッションは、“靴を売る”ことではなく、“その人がその人らしく歩ける”こと、という。靴はあくまで道具であって、それを履いて顧客が笑顔になってくれることが重要と考えている。これが「くつ家ともだ」が脈々と受け継いできた信念だ。

◆松山店/愛媛県松山市古川南1-21-12 
TEL:089―909―9928
◆今治本店/愛媛県今治市常磐町3-4-15
TEL:089−832―0964