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浅草エーラウンド

「革とモノづくり」の祭典、10月18〜20日開催

10月18〜20日、革とモノづくりの祭典「浅草エーラウンド」が開催される。革や革靴、革製品のメーカー、工房、問屋が点在する「革のまち」奥浅草を、業者だけでなく、消費者にも楽しみながら知ってもらうことを目的に、2013年5月にスタートした。
実行委員会のメンバーの1人の富田常一氏(皮革卸の富田興業社長)に、最近の「浅草エーラウンド」の状況や次回のイベントの内容、今後の計画などを聞いた。

浅草というブランド力を高めたい

「『浅草エーラウンド』は春と秋の年2回開催しており、10月の開催で13回目となります。来場者も増えており、前回は天候にも恵まれ、3日間の会期中に2万人近い人が訪れたと見ています。これは前々回とほぼ同じ数字です」。
「東京の奥浅草エリアが、革関連の会社が集積する『革のまち』であることを広く知ってもらうことで、革と革関連のモノづくりの産地であるということを、日本中だけでなく海外にも発信していくイベントです。最終的には浅草のブランド力を高め、知らしめることがねらいです」。
「通年でNHKの情報番組でも詳しく報道されるなど、『浅草=革のまち』のイメージも定着しつつあります」。

モノ作りの現場を間近で見てもらう

「イベントは『まちなかスポット』『マーケット』『ギャラリー』の3つにわかれて開催されます。それぞれへの参加企業・店舗は50社ほどで、全体では150ほどになります」。
「『まちなかスポット』はエリア内にあるメーカー・工房が製造現場を開放し、当日開催のまち歩きツアーなどで、モノづくりを間近で見せるものです。中にはマニアックな人たちに人気のメーカーもあり、1日中その工場を見学している人もいるようです。会期中は『浅草もにづくり工房』も公開していますが、ここで処分品として出したミシンが売れるなど、プロに近い人が地方からも多く集まっています」。
「『マーケット』は山谷堀広場で、『ギャラリー』は隅田公園リバーサイドギャラリーで、作ったモノを販売するほか、ワークショップを行っています。また、山谷堀広場では浅草や靴に関連した映画上映も行われました」。
「今回も映画上映のほか、東京メトロが170駅に『浅草エーラウンド』案内のポスターを掲示してもらえるほか、キーホルダーの販売や浅草駅からエーラウンド巡りのウォーキングを開催する計画です」。


本格的なワークショップで靴を完成させる

「エーラウンドを機に、i/288(※)のように生活者のニーズに寄り添う価値のある革製品が、浅草を中心に開発されていることを広く認識してもらいたい。そのためにも地産地消が進んでいることが理想の姿だと考えます」。
「来場者の中にはリピーターも多く、普段からモノ作りをしているセミプロの方もいます。こうした人に向け、バッグ工房では2万円ほどの料金で、本格的なモノ作りを教えるワークショップを開催しています。こうしたワークショップを靴でも行う計画です。ここではクリエイター体験もしてもらい、靴のデザインから製品が完成するまでを実践してもらうという、本格的な取り組みです」。


夏季オリンピックを機にグローバルに発信

「浅草エーラウンド実行委員会では、浅草メーカーと一線で活躍するデザイナーが、革製品を開発するプロジェクト『TOKYO L(トーキョーエル)』のプロデュースを請け負う窓口にもなっています。これも『革のまち』『革製品のまち』のイメージ定着になります」。
「イタリアのミラノ・サローネの開催時期に、ミラノの街がデザインウィークになり、モノを見せるのではなく、ブランドの世界観を見せる機会にしており、多くの人を集めています。『浅草エーラウンド』もそんなイベントになれればと考えています」。
「2020年の夏季オリンピック・パラリンピックの開催で、世界中から人が集まります。これも『浅草=革のまち』をグローバルにアピールする機会にしたい」。