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見て、触って感じる機能靴 大集合
売場レポート

 カネコ靴店(東京・江戸川区)


「これしか履かない」というビジネスマンもいる「ボンステップ」


足の形に沿った内部がフィット感を高める

 カネコ靴店(売場面積25坪)は、JR総武線小岩駅駅ビル「シャポー小岩ショッピングセンター」内にある、創業60年になる老舗靴店である。大塚製靴との取り組みは長く、「ボンステップ」「ハッシュパピー」を長年取り扱っている。ことにファンの多いのが、ボンステップだ。
 「丈夫で、履きやすく、歩きやすいのがいいですね。アッパーは樹脂加工された防水レザーで、雨にも対応できます。ビジネスマンがゲリラ豪雨にあっても大丈夫。インソールに傘のマークがついいているので、わかりやすいです」(金子好延専務)。
 ポイントは、医学的・科学的なデータにもとづいて、足と靴の一体感を実現していること。靴の内部が足の形に沿ってフィットするように、角のない丸みを持った構造になっている。ソールはウレタン製で、歩行に伴う足の衝撃を緩和してくれる。

消臭スプレーの使用で靴を長く履いてもらう

 日本製であることも、セールスポイントの一つ。ソールの貼り替えなど修理にも応じてくれる。
カネコ靴店は女性顧客が中心となるが、それでも「ボンステップしか履かない」というビジネスマンが十人以上いて、「顔を見ると奥からすぐにその方に合った型とサイズを出してくる」のだそうだ。買い換えは大体1年に1回くらいというが、それも毎日はいているとライニングが汚れたり、臭いがついてしまうからであって、消臭スプレーをまめにかける、汚れたら拭いておくなど、お手入れを怠らなければ数年は十分に履けることを伝えている。
 また、同様の素材でレディスもあり、こちらも好評だ。カネコ靴店では、改めて大塚製靴との取り組みを強化していく計画である。
 同店はほかにも、「アサヒメディカルウォーク」や「トップドライ」「通勤快足」といった商品の販売に力を入れている。





 マルノ靴店(東京・北区)

複合機能を備えた、鮮やかなカラーが人気

ウォーキングらしくない普段履きできる通勤靴


JR赤羽駅から徒歩5分ほどの商店街の中にある、売場面積45坪の靴店「マルノ靴店」。地元密着型の店舗で、地元の方により歩きやすい靴を提案しつづけてきた老舗だ。スタッフ2名が「日本ウオーキング協会主任指導員」「日本ノルディックウォーク公認指導員」の資格を取得している、「歩くことのプロ」がいる店でもある。
同店は婦人客以外にも、40〜60代くらいの、普段も使える通勤用の靴を探している人が多い。このため、同店の品ぞろえも、デザインもあまりウォーキング然としたものではなく、シルエットのきれいなすっきり見えるタイプをそろえている。
ブランドは「マドラスウォーク」「ヨネックス パワークッション」「エコー」など、歩きやすさに定評のあるものを軸としている。
「この秋は、特にキレイなカラーリングの靴が婦人に支持されています。パープル、パール系、シルバーなど、パッと目に飛びこんでくる色目に人気があります。ひとつの機能に特化させた、 “単機能”のものが最近は苦戦しており、機能に加えてカラー、履きやすさ、防水性など複合的な特徴を持ったアイテムの人気が高まっています。今秋冬ももっとカラフルなバリエーションを意識的に見せたい」と丸野勉代表は話す。

洋服とのコーディネイトでコンフォートを提案する

継続的に人気なのが「ヨネックス パワークッション」。機能性については、POP で「ひざ・腰にもっとやさしい」というコピーで訴え、「タマゴを落としても割れない」というキャッチフレーズの、インソールのやわらかさも視覚的に表現している。この機能性に加えて、「明るいパープル」や「パールネイビー」などのタイムリーな色を差すことが売れる要因となっている。
「エコー」も力を入れているブランドだが、従来の丸みのあるデザインだけでなく、すっきりした装飾のないタイプが人気上昇中だ。またゴアテックス・サラウンドを使った「エコー クール」のシリーズは特に通気性に優れている。ソールの横に穴が開いており、靴の中の汗を発散させ、蒸れにくくしているのも特徴だ。
「マドラスウォーク」は足にトラブルを抱えた人に人気が高い。持つと驚くほど軽く作られているのも特徴で、すっきりしたデザインも幅広い年代に支持されている。こちらもゴアテックス・ファブリクスを使い、雨の多い昨今には人気要因。
「女性はコンフォートでも、色やデザイン性を意識しています。最近は新人スタッフも、カラーコーディネーターの資格を取得して頑張っているので、お客さまにも服とのコーディネイトをアドバイスするなど、新しいサービスを提案していきたい」(丸野代表)。