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圧倒的な履き心地が実感できる「テクシ―リュクス」“プレミアムショップ”絶好調

紳士・婦人・ジュニア靴のアシックス商事が元気だ。看板の「テクシ―リュクス」は累計400万足を達成し、ネットのアマゾンではビジネスシューズ部門の売上げ第一位に輝いた。その裏付けとなるのが圧倒的な履き心地。決め手は“足入れ”だ。それを実感させる“プレミアムショップ”が現在、70店舗に。白川社長に聞いた。


紳士・婦人・ジュニアの3本柱で戦ってきた

―12月決算ということですが、直近の業績はどうですか?

「売上高は2017年が332億4000万円、18年が322億1800万円。今期は半期(6月度)が終わったところで、何とか前年比100%をキープすることができました。当社は以前から売上げ構成は紳士・婦人・ジュニアの3本柱でやってきました。部門別では、紳士靴の「テクシ―リュクス」とジュニアスニーカーの「アシックスレーザービームシリーズ」が好調です。一方、婦人靴はやや苦戦しています」。

―「テクシ―リュクス」の活躍が目立っています。

「テクシ―リュクス」は、10年前に本革のビジネスシューズが5000円という価格でスタートし、その後、一貫して履き心地を目指してきました。主力ブランドとなった「テクシ―リュクス」はいま6000円を下限に、8000円から1万5000円のラインアップも展開しています。一番好調なのは8000円の靴です」。

―価格帯の引き上げは、どの会社でもチャレンジしたいことの一つですが、実現はなかなか難しい。「テクシ―リュクス」はなぜうまく行っているのですか?

「価格競争をしても仕方がない。それよりも、どのブランドにも負けない機能の靴を開発しようというのが当社の基本姿勢です。ただ、それだけでは数字につながりません。売場づくりに同じように力を入れてきました」。
「例えば、得意先の朝礼の時などにちょっと時間をいただき店長や販売スタッフさまの前で、商品と接客時のポイントを説明します。いま、人手不足などもあって、小売店さんでは、ゆっくり販売員の接客指導する時間がないんですね。こうした売場サポートは歓迎されますし、数字にもつながっています」。

―売場開拓では、「テクシーリュクス」のコーナー展開に注目が集まっています。

「“プレミアムショップ”という名称で壁面の2〜3スパンいただいています。わざわざショップと名を付けているのは、社内に10名ほどいるリテールサポート部のスタッフが、ショップ提案から施工、ディスプレイ、掲示パネルまでパッケージで提供し、売場メインナンスまでやっているためです。競合店リサーチなども含めて、“プレミアムショップ”を常にチェックをしています」。
「このショップはスタートしてちょうど3年。去年、一気に30店ほど出店しました。現在70数店あり、このうち60店は前年実績をクリアしています。売上げがいま100なら110〜120をやりましょう、と。目標設定を先方と共有して一緒に売上げをつくっていこうという考え方です。数字が良いと、「うちもやりたい」「この店もやりたい」と声が掛かってきます。今期中には100店が目標です」。


プレミアムショップは婦人靴でも拡大中

―この春は、JR渋谷駅に「テクシーリュクス」ポップアップショップも設置しました。構内ではなく、ホームにつくったのはユニークでした。

「テクシ―リュクスは、累計400万足の大ヒットブランドで、17年にはアマゾンランキング大賞2017シューズ&バッグ メンズシューズ部門中で1位にもなりました。圧倒的な履き心地が、最大の特徴です。足入れしたら購入されるんです。渋谷のポップアップショップは販売目的よりも、それを実感してもらうことを主目的に、3月29日〜5月31日まで、ホームに設置しました。このプロモーションは毎年行っており、今年で3回目になります。今年は期間中に2000人ほどの来店がありました」。

―婦人靴ではどのように盛り返していきますか?

「プレミアムショップは、コンフォート系パンプスの『レディワーカー』でも展開中で、現在も30店。拡大していきたいですね。テクシ―リュクスと同様に、足入れしていただくと購入率が非常に高い。足入れ促進が最大のポイントです」。
「このほか婦人靴の直営ショップ『アキュアーズ』も前年比20%増と好調です。いま港南台、相鉄二俣川、国分寺、飯田橋の計4店舗。直営店オリジナルの『アキュアーズ』と『レディワーカー』を中心にした接客重視の15坪ほどのショップです。アキュアーズは、当初、品ぞろえのバラエティ―優先で、他社の仕入れ商品もミックスしていたのですがうまく行かなくて、当社オリジナル中心に変えて好転しました。社内では“売れていないのではない、売り方の問題”という考え方を徹底させています。これは紳士靴も同じです」。