今月の記事・ピックアップ 2019・11
 HOME > フットウエアプレス >   特集 シューケアは楽しい (ケア用品の接客・販売)
特集 シューケアは楽しい (ケア用品の接客・販売)

  リファーレ 恵比寿 (東京・渋谷)


"きめ細かなお手入れ"を修理する側から提案する

化粧品と同じ成分配合のされている「リッチモイスチャー」

 「リファーレ」は、イタリアやイギリス製の高級メンズドレスシューズを販売するとともに、自店で販売した靴を中心に修理やシューケアも行う。直営店と百貨店インショップを合わせて全国に13店舗ある。の拠点を持ち、本店がこの「リファーレ恵比寿」となる。松木聖(きよし)店長は、リファーレに勤めて10年。
 「販売した靴を末永く使っていただくためのサポートをするのが、当店の役目です。シューケアは、4〜5回履いたら1回は磨いてくださいとお勧めしています。一日履いて帰宅したら、ブラシで汚れを取っておく。汚れをそのままにしておくとしみ込んでしまいますし、クリームを塗っておけば、ブラッシングだけで汚れが落ちます」(松木聖(ルビ:きよし)店長)。
 置かれているのは、コロンブスの「ブートブラックシリーズ」で、一番のお勧めかつ売れ筋は「ブートブラック リッチモイスチャー」。保湿力、浸透力ともに高く、もっちりした質感に仕上がる。3000円と高価だが、それだけの効果はある。ローションで汚れ落としをした後、米粒くらいを布にとって、ていねいに塗ることが基本だ。
 「忘れがちなのが、ウエルトとアッパーの間のキワ。クリームも布だけですと、ここに届きません。雨に当たったとき、水分が溜まるのがキワの部分で、保湿クリームを塗って保護しておかないと、ウエルトが痛んで糸が切れてしまいます」。
 キワの保護はとても大切であり、専用の「ジャーマンブラシ」を勧める。

カラークリームは、色が抜けた個所だけで十分

 松木店長は、シューケアの方法やシューケア用品の用途や効果を、顧客たちに一つひとつ時間をかけてていねいに説明する。
「それでも伝わっているのは2割くらいだと思うんです。ある程度の流れをつかんでいただければいい。『わからなければ、来てくださいね』とお声がけしておくと、来てくださる。そのときに実際に磨きながらお話ししすると、最初のときよりずっとわかりやすいです。順番より、どうしてそれをしなくてはいけないのかを説明していきます」。
 リファーレで販売している高級ドレスシューズの価格は10〜15万円。ケアしつつ、修理しつつ履けば10年以上もつしっかりした作りの靴だ。しかもシューケアの方法は意外にシンプル。愛情を持ってまめにお手入れすれば、靴もそれに応えてくれる。




  山男フットギア 本店

エプロン付きのケアセットで、女性にもケアを勧める

「ジェイソン マーク」のスターターキットが人気


今年8月31日にリニューアルオープンした「山男フットギア上野本店」。スニーカー売場では不可欠だったスチール什器を取り払い、がらりと雰囲気を変えている。
売場奥には、以前から取り扱っている、アメリカ・ロサンジェルス発祥のスニーカーケア・ブランド「ジェイソン マーク(JASON MARKK)」のコーナーを、さらに充実させている。購入された方には必ずケアの話をして、積極的にセット販売を促している。
内装もすっきりし、入りやすくなったことで、リニューアル後はスニーカーと縁遠かったような女性のお客が増えているという。
「販売する際には常に、スニーカーのケアを初心者向けにレクチャーしています。いまはスニーカーを履き潰すのではなく、キレイなままで保管しておきたい方が多いです。また『ジェイソン マーク』の商品デザインやインスタグラムの発信が、とてもセンスがいいので、若い世代にすんなり支持されることも大きいです」(スタッフの小林孝至さん)。
 初心者向けに取り組めるスターターキットや、旅行先でのトラベルキットなど、セットになったアイテムも多い。今シーズンはスニーカーケアをするときに使う“オリジナルエプロン付き”まで登場し、隠れたヒットアイテムになっている。

2階フロアではケアワークショップも

 2階フロアもリニューアル後は木調のインテリアにシフト。セレクトショップのような木製のボックスや棚に陳列し、落ち着いた雰囲気になった。これまでコアな客層向けの品ぞろえだったが、スニーカーブランドのアパレルも提案し、より大人っぽい雰囲気になった。
現在はディスプレイ台だが、中央の什器を取り払えば“ワークショップ”もできるスペースになり、今後はこのフロアでスニーカーケアのイベントなども行う予定だ。
「実際に自分が今持っているスニーカーをどうケアすればいいのか、という質問も多いので、磨きを体験するイベントも企画しています。『ジェイソン マーク』のアイテムは、気軽に使えるものも多い。そんな点もレクチャーしながらみなさんに知ってもらい、スニーカーケアをライフスタイルに取り入れてもらえれば嬉しい」と小林さんは話す。