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 環境意識の高まり



サステイナブル(持続可能)への動き

 全ての産業において「SDGs(持続可能な開発目標)」が求められるようになり、皮革産業でも動きが出ている。その一つが「レザーワーキンググループ(LWG)」だ。
 これは、レザーに関わるブランド、タンナー、薬剤メーカーの3社で構成される国際団体で、地球環境の保護や、消費者に安心で安全な革を供給することを目的としており、厳しい審査をクリアした製革業者に認証を与えている。
2018年1月時点で、世界の皮革製造工場でLWGのメンバーリストに掲載されている企業数は373社で、ランク別に見ると「ゴールド」207社、「シルバー」109社、「ブロンズ」29社、その他が28社となっている。国別に見るとインドが91社、中国74社、ブラジル57社、台湾24社。日本で最初に認証取得を実現したのは「繁栄皮革工業所」。
LWGの目的は、皮革製造工場に持続可能で適切な環境ビジネスを実行させることにあり、環境の保護と維持が期待されている。世界の名だたるブランドがこれに加盟し、同団体の認証を受けた革を積極的に導入している。

チヨダもSDGsに取り組む

 日本では11年前から「日本エコレザー」の認定制度がスタートしており、現在、750点を超える革や革製品が認定されている。ここではエコな素材であることを証明することにとどまらず、工場や労働環境なども審査され、社会的責任を表すものになっている。また最近では、日本エコレザーの認定革で海外市場を狙う企業も出てきている。
 小売でも、SDGsを意識した取り組みが始まっている。
チヨダは、全国のシュープラザ、靴チヨダ、東京靴流通センター、クローバーリーフなど国内1036店舗で使う持ち帰り袋や商品の包装材を全面刷新することを発表した。プラスチックごみによる海洋環境汚染が世界的な問題となる中、地球環境に配慮した持続可能な事業構築に向けた取り組みの一環として、店頭で使用するプラスチック製の持ち帰り袋を「環境に配慮した紙袋」に切り替える。2020年1月から順次切り替えを開始し、4月に全店舗での切り替えの完了を目指す。
 この紙袋への切り替えにより、年間約272トンの廃棄プラスチックを削減が可能となる。