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2019年 |
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■ (L…レディス、M…メンズ、S…スニーカー) アジアリング・高橋悟史 「エレガンス&モード」の復活2019年は「エレガンス回帰」や「モード」、「アバンギャルド感覚」が大きなキーワードとなった。ここしばらくカジュアル&スポーティーが主流となっていたが、婦人靴の方から「ヌーディサンダル」や「ピンヒール」「スクエアラスト」「アバンギャルドなど厚底」、といった新しいテイストが広がっていった。本格的なエレガンス回帰、モード化に向かう、端境期といえる1年だった。(高橋悟史/アジアリング)
季節商品はサンダルから大きな復活が見られた。脚の露出の高い、シンプルなストラップ使いの「ヌーディサンダル」が大トレンドとなり、ヤングストリートからコンサバ系の大人エレガンスまで、大きなブームとなった。ヌーディサンダルは、ベタタイプからピンヒールタイプまで、幅広い選択肢があったのも大きな特徴。
郊外立地の靴店では、厚底ソールを使ったスポーティーサンダルが大ヒットを記録。ヤングから取り入れが始まったが、今年はファミリー世代やミセス世代にも大人気となったのがポイントで、幅広い世代が楽しんでいた
オックスフォードやローファーの「オジ靴人気」は長期的な流れとなっているが、今年は晩夏から秋にかけて「ビットローファー」に人気が集中した。厚底アレンジ、エナメル使い、クロコの型押しなど、モードアレンジされたビットローファーが、カジュアル短靴の目玉となった
メンズのビジカジ靴では、ソフトロングノーズでアレンジされた、「ドレスローファー」や「モカスリッポン」などのドレススリッポンに人気が集中シタ。オン・オフ兼用で楽しめる点や、スニーカー感覚の脱ぎ履きのし易さが、男性の買い替え需要の大きなポイントとなった
伸縮性抜群の履き心地で、見た目の美しいシルエットも楽しめる「ニットブーツ」や「ニットスニーカー」が、大人女性に喜ばれた。ヤングにはストレッチブーツが売れたが、大人女性にはより高品質のニットブーツが支持され、価格もボリューム化しているた
個性的なデザインやディテール使いで、ちょっとアバンギャルドな靴が、大きなトレンドとなった。大人世代には「ジョイ&マリー」のスニーカーが、ヤング世代には「ヨースケ」の厚底靴が人気となり、類似品のないオンリーワンの企画が幅広い人に支持された
今年はアニマル柄の当たり年。レオパード(ヒョウ)やダルメシアン、クロコの型押しも人気となったが、本命は「パイソン柄」。パイソン柄を全面使いした、パンプスやバレエシューズ、ショートブーツが大きなトレンドとなった
スカーフはアパレル全体でも大きなトレンドとなり、よりクラシックな雰囲気を演出するディテールとして、靴のデザインでも大いに注目された。夏のサンダルからパンプス、秋冬のショートブーツまで、年間を通じてスカーフ使いが人気となった
ピンヒールはパーティー靴などのオケージョン用しか売れないと言われてきたが、ファッション感度の高い女性が、再びピンヒールのパンプスやブーツを取り入れるようになった。都心からエレガンス靴の復活が見られた
保守的だったメンズサンダルだが、今年は本革を使用したレザーサンダルが大きく注目された。「フープディドゥ」などのメンズブランドでは、本革で1万円前後というコストパフォーマンスの高さが、男性需要を喚起した CHIENOWAコミュニケーション 川ア智枝 根強い定番アイテムの中で、アニマル柄が復活ストリート系に振られていたカジュアル傾向も、2019年は徐々にきれいめになってきた。定番的なアイテムは変わらず強いが、そこそこのヒットとなった「ネックウォレット」や「アニマル柄」などは、マーケットでも目先の変化を求める流れともとれる。キャッシュレス化の流れから、コンパクトに期待がかかったが、財布の動きが全体的にいまひとつ。“財布レス”にさせない代替アイテムも不可欠だ。
久しぶりのアニマル柄復活となった今シーズン。レディスでは服飾雑貨全般で、アニマル系がよく動いた。春先にはパイソンやリザードのハ虫類系の型押しで、ミニバッグやスマホポシェットなどアクセサリー感覚のものがヒット。秋はアニマル柄が先行した。フォルムが定番なだけにプリントで新鮮さを出す動きに。
ミニウォレットやスマホケースを、斜め掛けではなく首から下げるという斬新なコーディネートがストリート発でヒット。キャッシュレス化に加え、ネックウォレットひとつで出かけられる気軽さも支持された。カードケース×小銭入れを組み合わせた「マルチカードケース」など、コンパクトな革小物が今後も広がりそう。
円形フォルムはここ数シーズン継続中だが、特に今年は革モノからカゴまで幅広く登場した。特にラフィア素材で円形に編んだカゴが夏場に動き、円形のリュックもヒットした。ラウンドだけでなく、立方体や五角形などアート性のある形が人気に。
去年から引き続き、メンズでは小ぶりのサコシュが人気。これに加えて今年は「ジャケットインの薄マチショルダー」「巾着ポシェット」「ウエストバッグ」など、大小さまざまなバリエーションが登場した。ユニセックスなデザインが多く、女性にも支持された。
軽量感のある素材は引き続き支持されているが、今年は特に“資材”として使われるようなマテリアルが人気に。ミラー風PVCやスポーツメッシュ、パンチング加工のネオプレンなど軽さが感じられる素材感が、バッグマテリアルとして浮上したシーズンだった。
今年は春から夏にかけ、カラフルなプリント系が花盛りになった。いままでにない、絵画調、グラフィック調、大きなフラワー柄など、フォルムはシンプルながら大胆なプリント使いが新鮮で支持された。
革が動きにくいシーズンだったこともあり、キャンバス素材が引き続き健闘した。柔らかいカラーリングや、パッチワーク使いといった女性らしいディテールも人気に。またシンプルなLLビーン風トートも、今年風にアップデートされて再登場し売れた。
値ごろなものと高単価なものとの二極化が進む中で、手編みメッシュなどハンドメイド感覚の、希少性の高い素材感が浮上した。レディスだけでなく、メンズやユニセックスでもその流れが表れてきた。色を交錯したマルチメッシュも今までになく人気となった。
メンズのオンシーンでの流れが、ガジェット収納型のビジネスリュックが一段落。クラシックな方向への揺り戻しがきているというところもあった。今までは支持されにくかった革のブリーフや、クラッチなどが若手ビジネスマンなどに支持されはじめた。
夏の定番と化してきたクリア系。今年は透明な素材感だけでなく、オーロラ素材やインナーにアニマル柄を効かせる、スマイルマークを付けるといった、ひとひねり加えたタイプが登場、人気となった。 |
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