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特集 ニットシューズを売ろう

売場レポート

 東京靴流通センター 吉祥寺西友店

縫い目がなく、外反母趾にやさしい靴として支持される


ニットシューズの主力は「スケッチャーズ」

 東京・吉祥寺駅前のアーケード街「サンロード」内の西友3階に、10月4日オープンした新店である。西友自体が11月28日にリニューアルオープンを遂げたばかりだ。吉祥寺にはサンロード入り口に同じくチヨダの「シュープラザ」があるが、西友店は地元の人たちが顧客の主力になるという。
 東京靴流通センターの面積は約80坪。メンズ、レディス、キッズとフルラインだが、メンズが全体の6割と充実している。
 ニットシューズの中心は「スケッチャーズ」。「スケッチャーズ ニット」のラインもあって、年齢を問わず女性の間で大好評だ。
 「縫い合わせがなく靴下みたい、外反母趾に当たらないというお声がよくきかれます。普通の靴では、外反母趾の箇所に靴の縫い目に当たってしまうからです。ニットシューズは足に優しいというイメージが定着しました。難点は雨で、そのことはお買い上げの際にご案内しています」(木村絵美店長)。
 スケッチャーズはチヨダの重点ブランドで、業態問わず各店に導入されている。チヨダ独占商品もあり(この店舗では11型)、4900円という手頃な価格で提供されている。

「セダークレスト」ではコブ付きシューレースが人気

 チヨダのPB(プライベートブランド)「セダークレスト」からも、ニットシューズが出ている。こちらも4000円台が中心という買いやすい価格で、通学用、シニア層のウォーキング、仕事履きなど幅広い用途で履かれており、購入年代層も幅広い。
ニットタイプは「キャタピースマートシューズ」というタイプで、シューレースに「キャタピーラン」(山三商事)が使われている。ストレッチ性の高いシューレースで、途中にいくつかコブが作られており、アイレット部分に入れて固定すると、結ばなくても足にフィットする。シューレースを結ぶのがめんどうという人や、うまく結べない子供や高齢者の間にファンが多い。
 このほかに、「パンジー」にも一部ニットシューズがある。「プリティハーツ」シリーズで、コロンとした形がかわいく、スエード素材とのコンビになっている。シニア層に人気のパンジーだが、この商品は20〜30代の女性たちが購入していく。ことにニットシューズには「暖かい」というイメージがあるのか、人気がある。

ニットシューズはさらに期待される
 「ニットシューズは、とても期待できる分野だと思います。編み方次第で模様も入れられますし、強度も変えられる。普通の素材では強度を増すためには別の素材とコンビにする必要がありますが、その必要がない。だからこそ軽く、ソフトタッチであり、そこが選ばれる要因になっています」。
 スポーツシューズにはメッシュ使いが多いのに対し、ニットシューズはカジュアルな普段履きという印象。ただ、通年商品とはいえまだ春夏ものという印象は拭えず、店頭で本格的に見られるようになるのは年明けからになりそうだ。




 スケッチャーズ イオンレイクタウンKAZE店

ミドル〜シニア層に支持され、売上げアップに貢献
夫婦購入が多くリピーター率も高い

 2018年ごろから続く「スケッチャーズ」好調が現在も続いている。スケッチャーズショップのうち、ショッピングセンターに出店しているものを中心に、15店舗がジーフットの直営店である。中でもイオンレイクタウンにあるKAZE店とアウトレット店は、常にトップを争う優良店だ。ブランド全体では、前年比140%と好調をキープしている。
 好調な理由の第一は、大量にテレビCMを流したことで、ブランド認知が進んだこと。次に機能的にわかりやすいことがあげられる。足なりにフィットしていく低反発インソールと、クッション性の高い高反発インソールの2種類があり、どちらかを選択すればいいからだ。また、ダッド系スニーカーが流行しており、若い層を取り込めていることも挙げられ、主婦やシニア層を含めてファンを拡大している。
 「売場に立っていると、もう定年なのだから来年から革靴いらないわよね、という会話が聞こえてきます。2足目割引などの販促キャンペーンもこのためで、夫婦で来店して2足購入するとかなりのお得感。さらに1回履いたらリピーターになる確率も高いです。伸びているのは口コミによるところも大きく、ネットの情報だけでなく、お友達から勧められて店舗に来られるケースも多いです」(スケッチャーズ事業部営業担当マネジャー 佐々木智宏さん)。







8000円前後の快適なタウン履き

 主婦やシニアに受けている理由の一つに、スケッチャーズにはニットシューズが多いことがあげられる。ストレッチ性があって外反母趾にも優しく、シームレスで足当たりがいいからだ。ランニング用も出ているが、大多数の人は街履きとして購入する。価格も7900〜8500円がボリュームゾーンで、お求めになりやすいプライスレンジも魅力の一つ。
 「売れているモデルは圧倒的にスリッポンタイプで、一見シューレースがあるように見えてもそのまま足を入れることができます。足のボール部分で絞っているので、シャープなシルエットです。ニットストレッチは履きやすく、固定客もついています。レディス全体の中で3割程度とまだ構成比は高くありませんので、これからまだまだ伸びしろがあるといえるでしょう」(金子潤一 スケッチャーズ イオンレイクタウンKAZE店・同アウトレット店統括店長)。
 もはやパンプスとしか思えないモデルも出ていて、スケッチャーズのニットシューズの幅はかなり広がりそうだ。