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地元に密着 足と靴の店 ポディア飯田橋店


メーカーが提案するパターンオーダーシューズとインソール


医療専門家と連携し靴づくりとインソール製作

「ポディア」は、パラマウント・ワーカーズ・コープが2002年11月に直営店としてオープンさせたシューズショップだ。現在は第一号店となる飯田橋店のほか、聖蹟桜ヶ丘、武蔵小杉、大阪・京橋にも直営店を構える。この4店舗体制で、広く足の悩みをもつ顧客の要望に応える。強みは、運営するパラマウントが靴メーカーとして革製品の製造を行っていること。工場を東京に構え、職人が手作りで靴を生産している。直販体制なため、ソールの張替修理などのアフターケアもきめ細かい。
 また「健康を足元からサポート」をモットーに、医療専門家と連携した靴づくりやインソールの提案なども行っているのも特色だ。
「近くの病院から “細い靴を”という指示とともに、お客さまをご紹介いただくケースもあります。接骨院や皮膚科に通っている外来の患者さんが“巻き爪や外反母趾、タコの原因は靴ではないか?”という先生方のアドバイスで訪れることもあります。しっかり骨の形をつくることができる靴をと、ご紹介いただいているのだと思います」(飯田橋店・       鈴木章浩店長)。
 

自社工場で作るパターンオーダーの靴

 「ポディア」はいわばコンフォート系の専門店に位置づけられるが、扱っている靴種は幅広い。自社の工場でつくられる靴だけでもビジネスカジュアル、パンプス、サンダル、ブーツなどとバラエティ豊か。自社製品のほか、足の健康の視点からニューバランスやミズノ、サロモン、アサヒシューズなどの靴もそろえる。インソールを含めて一人ひとりの異なる足に合わせた靴の提案を行うため、ケースに応じては自社で靴をきめ細かく作りこむ必要があるため、顧客は予約制で対応している。一人にかかる接客時間は30〜40分、長い人だと1時間はかかる。
「一日に対応できるお客さまは10人くらいですね。足圧をはじめ、足の裏のタコの位置や数、堅くなっている角質がどこにあるとか、巻き爪のあるなしとか、診断や分析には時間が必要になります。また足だけでなくふだんどういう姿勢で立っているかも重要です。こうした要素も加味しつつ、しっかりした靴やインソールをお使いいただいて、正しいアライメントを提案させていただく必要が出てくるわけです。このため、どうしても手間はかかります」。
 これらの要素を把握し、自社工場でつくられるパターンオーダーの靴で問題点を解決できる方向へ導く。靴の左右を足の形にあわせて別々につくる、やわらかい革で対応する、あるいは片方だけ外反母趾の人には左右の大きさを変えるなど、一人ひとりの顧客に最適な提案を全部カスタマイズしたシューズを作り上げる。インソールで解決できることもあるが、靴とインソールとを併せてきちんと提案している。




外反母趾の悩みをさまざまな方法で解決する

 顧客の主な年齢層は40〜70代。40代の働き盛りに多い悩みは外反母趾。
「出産や運動不足でなってしまうことがありますね。また仕事でパンプスをずっと履いていたためとか、膠原病が原因という方もいる。靴や中敷きだけでは限界があるものもあります。運動やテーピングを勧めるほか、5本指ソックスを履くようになど、生活習慣の改善について提案することもあります」。
 同店では足指の動きや運動の重要性も伝えている、足指の動きによいオリジナルの5本指ソックスをそろえているほか、たくさん歩く人にはニューバランスのスニーカーを推薦することもある。顧客の予算や要望次第だが、インソールとの組み合わせも可能だ。シダスのオリジナルのインソールも扱うが、こちらは熱可塑性樹脂なので温めて作り直しができ、定期的に調整することができる。
 顧客の悩みに沿った、「ポディア」のような営業形態が、地元店の頼れる存在となっている。

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