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![]() 試行錯誤から生まれた伸び、艶が出るクリーム ![]() 創業1910年、靴クリームメーカーとしては歴史を誇るのが「ライオン靴クリーム本舗」の商標で知られる谷口化学工業所だ。手作りにこだわり、そこで培ってきた経験と技術、職人技をもとに、高品質な製品の製造を行っている。 主力となる看板商品は「エクセレントシリーズ」の「乳化性靴クリーム」。これは2年前にリニューアルしたことから生まれたもので、改良にあたっては伸びが良く∞艶が出るようにする≠アとを重視した。 ![]() 市場から評価されている点がもうひとつある。それは「香りがいい」ということ。石鹸のような香り≠ェあふれる靴クリームは、香料メーカーと共同開発した独自のもので、このオリジナルの香料は「エクセレントシリーズ」全製品に採用している。 ブランディングの面でも効果を発揮しており、“香り”というわかりやすい点をブラッシュアップしたことで、“革に良さそうなイメージ”を醸し出している。 容器も同時に改良し、乾燥のスピードを低減させることで、クリームの寿命も伸ばしている。改良前は1年ほどで、中身の表面に変色が見られることもあったが(使用には差し支えないが)、今では製造後2~3年は変色や劣化が防げるようになった。 100年以上続く「3度注ぎ」の手作業 製品の品質向上に努める一方で、クリームを瓶に注ぐときは手作業で、3回に分けて行う。これは同社が100年以上続けている「3度注ぎ」と呼ばれる充填方法だ。 ![]() 「とくに3回目は1~2ミリ単位で注ぐことで、固まってはいますが、乾燥はしていないという状態にします。そこで密閉することによって、表面に光沢やツヤ感ができ、きれいなマット状となったクリームをお客さまにお届けできます」。 現在、同社が扱っているアイテム数は約150。靴クリーム、ワックス、クリーナーと靴や革製品にかかわるケア用品を全般的につくっている。圧倒的に強いのがやはり靴クリームで、1日の生産数は、靴クリームに換算すると約800個分となる。 百貨店への販路拡大やコラボ商品開発も ![]() 「百貨店さんには興味をもっていただいています。これまでマーケティングなどできていませんでしたが、今後は広告にも力を入れたいと考えています」。 新たな販路開拓のために、もうひとつ商品を準備している。これまで自衛隊にのみ直販していた「イーグルメダルシリーズ」だ。過酷な環境の中で使われるブーツをケアするクリーム、クリーナー、ワックス、ミンクオイルなどがある。ブーツ専用につくられたもので、少し塗りづらさはあるが、艶が早く出せるという特徴がある。現在の200グラムサイズを40グラム程度にして市販化を計画中だ。 業務を少しずつ拡大しつつある同社だが「手作業のもの作りは、これからも変えるつもりはない」との方針だ。この点が注目され、コラボ商品の依頼もあるという。 「最近は革靴メーカーから『自分たちのブランドでケア用品を出したい』という依頼もあり、最低300個から受注を受けています。当社は手作業なので、小ロットで対応できることが強みになっています」。 「あくまでもいいモノを第一に作る」という職人気質は、知られるようになってきた。今後は製品の信頼性とブランドの浸透を図っていく意向だ。 ▽東京都墨田区東駒形4-14-2 TEL: 03−5611−7351 |
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