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特集 スポーティーコンフォート

アルプスシューズ(東京・豊島区) 

メタリック、パンチング、ムラ加工など好評



幅広い年齢層に“オン”の打ち出す

ミセスやシニア世代が多く訪れる東京・巣鴨の地蔵通り商店街は、新型コロナウイルスの影響で人通りは激減した。まだ外に出歩くのは抵抗があるというシニア層は少なくない。
アルプスシューズでは、人々がステイホームしている期間中でも、ディスプレイ台を新しく塗りなおし、コーナー展開に力を入れるなど売場作りは怠らない。
以前から力を入れてきたスイス製のスポーツブランド「on(オン)」が、このところ好調に動いている。春からさらに取り扱いを強化し、店舗の店頭部にはブラックの背景をコーナー展開しており、本格的なブランドとして打ち出している。
「オン」はまだ国内で認知度は高くないものの、アスリートの間ではファンが増え続けており、知る人ぞ知るブランドとして徐々に拡大している。客層の年代も幅広い。
「スポーツブランドとしては、シニア世代にも取り入れやすい、優しいカラーリングが多いのも特徴です。またヒモがゴム製のタイプもあるので、結びなおす必要がなく、スポッと履けるところも魅力です。ランニングシューズではありますが、うちではライフスタイル全般を網羅するシューズとして打ち出しています」(小林徹司社長)。

スポーツライプは期待できるカテゴリー

 レディスのスポーティーコンフォートでは、シルバーやメタリックなどの光沢系カラーリングやパンチング、ムラ加工といった一ひねりあるタイプが人気。6月に入ってからは夏日が増えていることもあって、早くもサンダルの動きが良いのも特徴。
 「フィンコンフォート」のメタリックは、面ファスナータイプで足をホールドするタイプ。かかと部が安定するので歩きやすいと好評。「リーカー」もパンチングやステッチ使いなどで、ハンドクラフト的なディテールに仕上がっている。「フィズリーン」はクラック加工を施したシルバーに、アルファベットがプリントされている。ハトメ部分にはクリスタルも入っており、モダンなデザインが印象的。
「まだ回復とは言い切れない中、売場で長時間の接客時間が取れないため、インスタグラムなどオンラインでの繋がりを強化しています。スポーティーコンフォートは今後期待できるカテゴリーなので、強めているます。売り方・販促の仕方などは従来のやり方にとらわれず、さまざまな方法を試していきたいと思っています」と小林社長は話す。




京王百貨店 レディス・コンフォート売場
  

レースアップのソフト革が、“歩きやすさ”で売れる




スニーカー調の白底カジュアル

コンフォートシューズが強い売場として、根強いファンを持っているが、商品では、最近はよりスニーカー寄りのものが動いている。全体的には“白底タイプ”の人気が出てきており、スポーティーで軽い雰囲気のものがよく動く。
特に「エコー」は、細く見えるシルエットや柔らかいレザーの風合いなどで、さらに人気が拡大中だ。なかでも、シルバーの色は定番化しつつあり、エレガントな雰囲気もあって、ホワイトの代わりに購入する人も少なくない。また同ブランドは母と娘など、親子二代で購入するというケースも増えている。売場でもコーナーディスプレイでアイキャッチを設けるなど、積極的に訴求している。
ドイツのコンフォートシューズである「ストロバー」は、ホワイトのパンチングがさわやかなデザイン。高単価ながら、歩きやすく、足裏に吸い付くようなインソールで、ブランドのファンも多い。

運動不足の解消に買われる「MBT」

「MBT」は今年の3月から再登場。自粛期間が長引いたことで、運動不足を実感している方が購入している。独特のカーブの厚みのあるソールが特徴で、身体が自然にバランスを取ろうとする能力に働きかける仕組み。今シーズンはベルクロのスポーツサンダルタイプも多数登場し、スニーカーと同様に人気が高い。
「6月1日から感染防止対策の対策を行ったうえで、営業を再開しましたが、日に日にお客さまが戻ってきているのを実感していますが、以前より購入アイテムをあらかじめ決めておられるケースが多いように感じます。こうした「目的買い」が多い中、昨今では機能性が重視されていることもあって、 “歩きやすさ”が重視されている昨今、スポーティーコンフォートは今後も伸びていくカテゴリーだと実感しています」(婦人靴売場・アシスタントバイヤー荒木絵里さん)。