今月の記事・ピックアップ 2020・9
 HOME > フットウエアプレス >  バッグあっとらんだむ バッグ業界で広がるクラウドファンディング
バッグあっとらんだむバッグ業界で広がるクラウドファンディング

コロナ禍でバッグ業界内では、メーカーや卸売などが小売店に製品を卸せず苦境に立たされている。このため、ネットを通じて直接ユーザーに新製品をテストマーケティングできる「クラウドファンディング」が、コロナになってから一気に拡大した。
特に、サイバーエージェントグループ「マクアケ」の成長が著しい。昨年対比の取扱高は3・4倍になっている。20年9月期は前年比128%増、営業利益は843%増と驚異的な伸びを示す。他にも「キャンプファイヤー」「グリーンファンディング」「モーションギャラリー」など、ジャンル別にもさまざまなプラットフォームが盛況だ。
バッグ業界でも、従来の発想にとどまらない新しい切り口のクラウドファンディングプロジェクトが幾つも生まれている。ここにいくつか紹介する。 

 二宮五郎商店 収納力抜群の別製ミニ財布 

東京・墨田区に拠点を持つ老舗の革小物・バッグメーカー「二宮五郎商店」が、二度目のチャレンジ「別製ミニ財布」で、大きく伸びている。第一弾に発表したアイテムに改良を重ね、小さいサイズはそのままに収納性をより高めた仕様にし、カラーバリエーションを増やしている。財布職人の技である“つり貼り”や“菊寄せ”といった技術力を見せることで、高品質性を訴求した。
長年関わってきた通信販売での実績を生かし、「顧客が欲しいものを実直に作る」姿勢を崩さない点も高評価を得ている点だ。今後もさらに新しいアイデアを展開していきたいとのこと。


 バギーポード バッグがベストやエプロンに変身

神戸・東灘区のバギーポートが手掛けているのが、ベストにもエプロンにもなる変幻自在のバッグ。コロナ禍で密にならないレジャーとして、キャンプやアウトドアが盛り上がっているが、そんなシーンでの使用が想定されている。
ツールボックスのように大容量のトートバッグで出かけ、テントの設営の時にはポケットのついた便利なベストにチェンジ。バーベキューの時にはエプロンにも変化するというギミックも楽しい。バッグという使い勝手にこだわりながら、あくまでもユーザーの目線で開発されている。
国産の帆布を使用しており、防水性と難燃性を備えたことから、野外でのアクティビティに活躍する点も支持された。


 パーリィー ラグジュアリーなコンパクト財布

東京・練馬区のパーリィーによるマクアケプロジェクトの第3弾で、今回は手磨きのレザーでアドバン風のニュアンスを出したコンパクト財布を提案。クラシックシリーズと呼ばれる独特のレザーは、一度染めた革の上にダークな色を重ね、その上から手磨きで地の色を少しずつ出していく職人技。
ポイントは一枚の革を大きな型で抜き、“折り紙”のようにパタパタと折り込んで作られていること。一般的に革財布は、数多くの細かいパーツで構成されているが、これはパーツを極力縫い合わせていないので、使い込んでも糸切れしにくく、ほつれにくいことがメリット。今まで見たことのない光沢感に惹かれて、応援購入する方が多い。


 エル・イー・ディー バイツ 洗えるレザーバッグ

コロナ禍のもと、新たな生活習慣として、直接手を触れるものには気を付けるようになったという人は少なくない。スマホなどすぐ手入れができるものはアルコール除菌が可能だが、時には床に置いたりするバッグこそ除菌や洗浄が必要であると考え、東京・渋谷区の「エル・イー・ディー バイツ
が「洗えるバッグ」を開発した。
洗えるレザーはタンナーと組んで開発し、製品化したもの。汚れがつきにくく、またカビも生えにくい仕様にもなっている。
同素材で制作した「洗えるレザーマスクケース」や「制菌ポーチ」などをセットした、バッグ以外のアイテムのリターンも提案している。