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19年度靴輸入実績(2019年4月〜20年3月の輸入通関統計から集計)

革靴は2080万足、2年連続減少

――ノン・レザーも今期は不振



輸入靴合計 6億2100万足 

19年度の日本の靴輸入足数は、合計6億2100万足、前年比92・1%と、前期の伸びから減少に転じている。いずれの品目も前期を割っており、2ケタのマイナスになったのは1次革靴と非革サンダルである。
数量ではアジア勢が上位を占めるが、明暗が分かれており、中国、カンボジア、バングラデシュ、タイは前期割れ。一方、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、インドは伸びている。
足数で、全体の56%を占める「キャンバス靴」は、今期は8%減の3億5000万足に。86%を占める中国からの輸入が、今期は10・4%減と低迷したことが、全体数字のマ茄子となっている。
一方、2位のベトナム以下、カンボジア、インドネシア、ミャンマー、インドまでは順調に伸ばしており、産地の移動もうかがえる。
全体の23%を占める「ゴム・ケミカル靴」は、今期の1億4300万足の輸入で、前期比90・8%と1割近い減少となった。ここでもキャンバス靴と同じような傾向で、全体の75%を占める中国は、今期は12・6%減少している。
2位以下では、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、台湾、インドとアジア勢のほか、ドイツからの輸入が2ケタ前後の伸びを見せている。
今期4271万足の輸入実績のあった「非革サンダル」は、前期に続いて前期割れで、当期は前期比86・4%という結果だった。


革靴 2000万足 

1次、2次革靴に革スリッパを加えた全革靴の輸入足数は2000万足、前期比92・4%と下げている。金額は964億円、同93・7%となり、足数、金額とも2年連続で前期を下回っている。革靴足数での1次対2次の比率は28%対71%で、EPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)の進捗もあり、2次革靴が3ポイント比率を高めている。
国別では上位10ヵ国の顔ぶれ、順位に入れ替えがある。前期トップのカンボジアを抜いて、ベトナムが400万足、前年比108・9%で1位に。2位のカンボジア以下、5位のイタリアまでは前期割れとなっている。続くラオス、インドは2ケタの伸びとなった。ノン・レザーだけでなく、革靴でもベトナムの伸長が目立っている。


革靴平均CIF価格 4600円 

革靴(1次+2次)の平均CIF価格(運賃・保険料込み価格)は4619円、前期比101・4%と、前期に続いて横バイとなった。主要国(輸入足数の多い18ヵ国)の平均CIF価格を見ると、前期を下回ったのは12ヵ国あり、ほかの6ヵ国は前期を上回っている。欧米は全般に伸ばしているのに対し、平均額より下の輸入量の多いアジア諸国は前期を割っており、輸入革靴の価格はさらに下が傾向にある。
アジア勢の中で革靴の輸入量トップのベトナムと、9位のインドネシアは、平均CIF価格を伸ばしており、ベトナムは3726円、インドネシアは3753円となっている。


1次革靴 587万足 

TQ枠を使って輸入される、1次革靴の輸入足数は587万足、前年比81・1%、金額は401億円、同75・1%と、足数、金額とも大きくマイナスになっている。
国別に見ると、足数トップは中国で、316万足、前年比90・8%で減っている。足数は減ったものの、全体の足数が減ったため、全体のシェアは6ポイントアップの54%になっている。
1次革靴の輸入で大きな変化は、イタリア、スペイン、ポルトガル、ドイツ、フランス、英国といったEU諸国(英国は現在、EUから脱退)からの輸入が大きく減っていること。これは対EUとのEPA発効の影響が出ているため。
婦人靴、紳士靴、その他(カジュアル靴、子供靴)で分類したアイテム別では、紳士靴30%、婦人靴39%、その他の靴31%の構成。今期は足数、金額とも大きく減らしている。


2次革靴 1488万足 

 2次革靴の輸入足数は1488万足、前年比97・7%、金額は560億円、同113・9%と、足数は減って、金額は増えている。この結果は、単価の高いEU諸国からの輸入が大きく伸びた結果だ。
 輸入国はLDCとEPA発効国からの輸入が大半で、とくに今期はEPA発効2年目となるイタリアとスペインからの輸入が大きく伸びている。アジアからはLDCのライス、EPAのインドが伸ばしており、新たな生産拠点になっている。また、ここでもベトナムがカンボジアを抜いて1位になり、2次革靴のシェアは25%になっている。
 2次革靴の婦人靴、紳士靴、その他の構成比は、足数は、その他49%、紳士靴30%、婦人靴22%、いずれも伸びている金額は、その他44%、紳士靴29%、婦人靴26%の比率となっており、EU勢の参入で金額がアップすると同時に、婦人靴のシェアがアップしている。


スポーツ靴 6367万足 

 ここ数年、好調に伸ばしてきたスニーカーだが、当期は足数6367万足、前期比99・8%、金額1288億円、同98・7%と減らしている。ニットスニーカーのような、非革スポーツが人気だったが、輸入数量は下げている。一方、革スポーツは依然2ケ他の伸びを見せた。
当期は革スポーツ1543万足、前期比123・1%、非革スポーツ4824万足、同94・1%、となった。スポーツ靴の内訳は、足数で非革スポーツ76%、革スポーツ24%の比率となっている。
 主な輸入国は、革スポーツ、非革スポーツとも上位3ヵ国のベトナム、インドネシア、中国の順位で、インドネシアと中国の順位は入れ替わっている。また、3ヵ国とも革スポーツは伸びており、非革スポーツは減っている。