今月の記事・ピックアップ 2020・2
 HOME > フットウエアプレス > 特集 機能の見える化 売場レポート 
特集 機能の見える化 売場レポート

西武池袋本店 シューズ&ギア売り場 



◆わかりやすいチャート表でコロナ下でも応対

コロナ禍で伸びているランニングシューズ

特に昨年春のコロナ禍で急速に広がったのが、自宅まわりのランニング。テレワークとなり自由な時間が取れることや、運動不足などの理由からランニングシューズを探す方が増えた。この売り場でも、ランニング系を数多く訴求しているが、ユニークな試みがそのカテゴリー分けの方法だ。
大きなマトリックス表に、縦軸と横軸を「クッション性」「初心者・中級者」で四分割にして店頭に掲示。それぞれの象限をカラー別で表現し、一点毎のシューズに貼られているPOPと連動するようにした。右下のイエローの部分であれば「記録への挑戦」や「前への推進力」といった具合に、靴には一言コメントが添えられている。
中にはコロナ下では接客を受けたくないという方もいるため、自分が探している靴がどこのカテゴリーに当てはまるのかを確認して探す人も多いとのこと。現在は「箱根駅伝」をテーマに、大きなディスプレイで録画を放映。ランニングシューズを選ぶ参考にしてもらう狙いも。

スタッフの“手描きPOP”で積極的に想いを伝える

百貨店の売り場では珍しい、スタッフによる“手書きPOP”も増えている。お客様に想いを伝える表現として最近広がっているという。「NB」「ホカオネオネ」といったスニーカーと、「スタンス」のソックスをコーディネイトしてディスプレイ。手書きの文字がどこかぬくもりを感じさせて足も止まる人が多い。
また売り場を横断して、共通POPの「いまだから、ひと駅走ろう」という言葉を掲げている。コロナの中でジムなどにも行きづらいという方へ、地元の隣駅までをエクササイズに変えて楽しもう、という願いも込められている。

◆西武池袋本店 東京都豊島区南池袋1-28-1  03-3981-0111(大代表)



東武百貨店 池袋本店 スポーツシューズ売場

ひと目でわかる簡潔な表現のPOPを活用

体感型の模型で理解を深める

 

東武百貨店 池袋本店のスポーツシューズ売場で目を引くのは、靴とともに数々のパンフレットやソールなどの模型が飾られていることだ。
「スポーツシューズの異なる機能は、靴を見ただけではよくわかりませんので、目で見てすぐ理解できるものが店頭にあるとよいです。たとえば『コロンビア』のシューズでは、アウトソールを展示していますが、ひと目見て『滑らない』ことが伝わってきます」(スポーツ文具担当 芹澤義則さん)。
また、コロンビアでは身体の熱を反射して蓄える特殊な素材をウエアと靴双方に使用している。POPとともに、ウエアと靴をコーナー展示することで訴求力をあげている。
ミズノではインソールとアウトソールの間に衝撃を吸収する波型の「ミズノウエーブ」を入れているが、売場では実際に手に取って触ってみることができる。また、ヨネックスは「パワークッション」のサンプルをディスプレイ、以前は生卵を落とす実験もできる装置もあったという。「アサヒメディカルウォーク」では、アウトソールを展示、実際に踏んでみて実感できる。

POPはあくまでも主役の商品を引き立てるもの

 「基本的には、靴といっしょにPOPを見せ、冊子も置いています。商品につけるPOPは、お客さまが商品を見ているときのツールとして役に立つのです。まずはPOPを見て、お目当てのものの見当をつけていただければと思います」。
POPなどは、商品と一緒に見られる大きさがベストで、細かく説明を書くよりも簡潔であるほうがいい。パッと目に入って「こんな機能があるのか!」と思わせるものがいいようだ。
「期間が限定されるフェアやイベントのときは、大きいポスターやPOPがふさわしい。以前「TOP DRY」のイベントで、滑りにくさを検証するために、大きな氷塊を持ち込んで実際に靴を手にもって動かしてみたこと。お客さまにわかりやすく伝わったと思います」。