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特集 通勤シューズはカジュアル本流

リーガル 日本橋店

カジュアルスタイルの「ネクスト ビズ シリーズ」を打ち出す

どんなスタイルにも合わせられる靴が魅力

 リーガルコーポレーションが、ビジネスファッションのカジュアル化に合わせて、昨年春から「ネクスト ビズ シリーズ
を打ち出した。見た目はビジネス、履き心地はスニーカーのハイブリッドシューズとして、スニーカー通勤向けのアイテムを展開している。脱スーツ、ジャケパン、ノーネクタイなど、「どのスタイルでも合わせられる靴がある」と、日本橋店でも来店客に好評だ。
「ソールは反発性、軽量性、屈曲性に優れていて、端正なドレススタイルのスニーカーがうけています。オンビジネスにはもちろん、ドレカジスタイルやオフタイム時のファッションなど、TPOに合わせて選んでいただけるバリエーションをそろえました。ジャケパンなら白底のウイングチップで、と提案もできます。このシリーズの基本は革靴で、防水性を備えたドレススニーカーも、あえて光沢感のある仕上げとしてビジネスシーンに合うようにしているのもポイントです」(REGAL 日本橋店 渡辺徹店長)。

ミッドソールをアキレスと共同開発

 購入の中心年代は40〜50代。価格的には2〜25000円台がボリュームゾーンになっている。中高年のニーズの高さはコロナの影響もあるという。
「リモートワークでカジュアルスタイルがOKになっていますが、『急にそうなっても合わせる靴がない』という方がこの年代には多いのです。若い人は手持ちのスニーカーで合わせられますが、中高年の方のなかにはスタイリングの写真を持参され“どんな靴を合わせたらいいのか”と相談に来られる方もいらっしゃいます

 シリーズの好調もあり、3月上旬からはアキレスとの共同開発によるミッドソール「アクロフォーム」を採用したウイングチップを発売した。玉子を17メートルから落としても割れないという衝撃吸収性に加え、高い反発弾性や耐久性を実現した高機能ドレスカジュアルシューズとして打ち出した。
店内にはプロモーション用のツールも置かれ反響も上々だ。「膝に不安を抱える方に来店いただくこともあります。おかげでこちらも出足は好調です


REGAL 日本橋店
TEL:03・5203・2121



チヨダ 東京靴流通センター 西新井大師店(東京・足立区)

スーツを着る機会が減って、コート系スニーカー人気

ビジネスの数を減らしスニーカーの品揃えを拡充

 「東京靴流通センター 西新井店」は、東武スカイツリーライン西新井駅から徒歩10分ほどのところにある90坪ほどの路面店だ。メンズ売場は全体の3分の1程度で、最近の売れ筋は、「コート系ホワイトスニーカー
という。
 「コロナ禍でリモートワークが増えたためか、カジュアルラインが好調です。スーツを着なくなっているため、かっちりしたビジネスシューズより、デニムにも合わせやすい白いコート系のスポーティーシューズが選ばれています。おしゃれのレベルも上がり、きれいめスニーカーが注目されるようになってきました」(横堀哲也母店長)。
 一番人気は「KINNER(キナー)」で、軽量で履きやすいニット系スニーカー。他ブランドから「フィット感がある」と履き替える人が続出している。コート系のホワイトスニーカーの筆頭は「フィラ」。「K-スイス」は西新井店のような郊外店には入ってこなかったが、取り扱いはじめたところなかなか好調という。

これらのスニーカーは価格も3000〜4000円台と手ごろで、購入層は20〜40代が中心。横堀母店長は「今までビジネスシューズを年に2〜3足購入していたビジネスマンが、出社が少なくなったため、ビジネスを1足にして、その分スニーカーを求めるようになったのではないか」と見ている。
 ちなみに横堀母店長が管理している6店舗とも、この傾向が見られるそうだ。

50代以上には軽量ビジカジが人気

 一方、ホワイトスニーカーを履くには若干の抵抗感がある50代以上の層には、やはり黒や茶色の「アッパーはビジネス、ソールはスニーカーで履き心地の良さを追求」した靴が好評だ。同店での一押しはプライベートブランドの「ハイドロテック アクティブライト」で、片足約230グラムと軽量。低反発と高反発の2種類の素材を使ったインソール、プライベートブランドの「ペディピロー」も搭載されている。本革使いで、価格も7900円と抑えめ。もう少し手ごろな価格の軽量(片足270グラム)ラインも用意されている。
 「現在はレザースニーカーよりコート系スニーカーがよく動いていますし、その傾向は今後も続くと思います」(横堀母店長)。
 
東京靴流通センター西新井大師店
TEL: 03・3898・5669



東武百貨店 池袋本店 紳士靴売場

若年層に注目される「大人スニーカー」

在宅ワークが促進するメンズシューズのカジュアル化

 東武百貨店 池袋本店5階に、約75坪の紳士靴売場があるが、このところ市場に変化が見られるようになった。
 「在宅ワークが増え、週5日通勤という方が減ってきました。そこで、休日、通勤の日ともに履ける靴を探しの方が増えています。スーツ着用時だけではなく、カジュアルなコーディネイトにも合わせられる靴で、ことに若い方にはこの傾向があります」(スポーツ・子供・紳士服部自主運営課 森 真里恵マネージャー)。
 「スニーカー通勤」として注目される靴には2つのタイプがある。アッパーはビジネスシューズだが、ソールはスニーカーソールで履き心地を追求するというもの。もう一つは「きれいめな大人スニーカー」というべきジャンルだ。前者を選ぶのは40〜50代のビジネスマン、後者は30代を中心とする若い層にファンが多い。
 スニーカー的なデザインでは、日本発のドライビングシューズ「ネグローニ」が豊富なデザインで人気を呼んでいる。イタリアからのインポート「パントフォラ・ドーロ」には、コート系のホワイトスニーカーもあり、ファッショナブルでスーツにも合わせやすい。「フレジーノ」は、カラフルなレースアップタイプを展開。いずれも高級感のあるレザーを使用しており、スタイリッシュで、価格帯は2万5000〜4万円台。
 ビジネスシューズのフェースを持つジャンルは、スニーカー的なデザインには抵抗感がある層が選ぶ。「リーガル」はゴアテックス搭載で、インソールが厚めになっていてクッション性が高いのも、選ばれる理由になっている。
「マドラスウォーク」は、マドラスとミズノのコラボレートによって実現したもので、ミズノシューズの特色である波型の「ミズノウエーブ」が採用されていて、安定感がある。

きめ細かな接客でカジュアルを勧める

 「これからも、カジュアル寄りの靴が伸びてくると思われます。きれいめスニーカーは、これまでビジネスシーンであまり履かれなかったジャンル。スニーカー的なデザインにも抵抗感がなくなり、幅広いお客さまに支持されていくと思います」(森マネージャー)
 東武百貨店 池袋店では、「どんなシーンで」「どんなニーズで」着用するのかきめ細かくヒヤリングし、一人ひとりに合ったデザインや機能をお勧めしている。

東武百貨店 池袋本店
TEL:0570・086・102(ナビダイヤル)