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ブランド・レポート  「nuts(ナッツ)」

悩めるママ達が作るカラフルな日傘&雑貨


元気をくれる手作りポーチ

とびきりカラフルでとても元気になれる日傘&雑貨ブランド「nuts(ナッツ)」。見たこともない柄合わせに、大きなポンポンが縁どられ「これが日傘?」と思うようなポップなデザインが特徴。「作り手は、引きこもっていた人や病を抱えたりしたママ達なんです」と話すのはナッツ代表の藤村絵理香さん。
取材にはレトロな花柄のワンピースに、大きな虎の顔がついたバッグという個性的な出で立ちで登場。現在は3人のお子さんの母親でもあり、子育て中 “育児ノイローゼ”を経験したという。
「当時は子供たちの顔も見たくないと思うほど、うつ状態だったと思います。そんなとき、近所のフリーマーケットにたまたま出店しました。子供の服などと一緒にハンドメイドのポーチを並べてみると、お客さんが『これ可愛い!』と次々買ってくれて…、驚きましたが、心底嬉しかった。そのときから新作を作っていくと、自身が元気になっていくことがわかりました。作ることって実はすごくパワーをもらえることなのかもしれない、と気づきました」。
これがナッツのスタートになった。

ビンテージ素材を使った傘づくり

このときから、自分と同じように子育てに悩むママたちが、生きがいを持てる場所を作りたいと思い、自宅の改築を機にショップ兼アトリエをオープンした。ハンドメイドのワークショップなどを経て、ママさんたちと一緒に作り始めたのは「日傘」だった。
日傘を取り上げたのは、以前に購入した作家の作品が好評だったため。ただし、その作家にいわせると「傘なんて採算に合わない」と止められたという。そこで藤村さんは、一人では採算が合わないかもしれないけど、分業でやれば行けるのではと思い、組み立てから完成まで、ママさんメンバーが分業して製作にいそしんだ。
使った素材は一般的には傘には使われない、カーテンやじゅうたん、ビンテージ服など。ほかにも韓国やベトナムなどで買付けたカラフルな布地も使った。“日傘”というより“ファッションアイテム”と呼ぶほうがぴったりくる。カゴバッグには大きな顔のアップリケに羽根飾りやタッセルが縁どられ、一点もの感覚のデザインだ。



リピーター率9割コアなファンが支える

商品を買われたお客のリピート率は90%にも及び、新作が出ると即完売という人気ぶりだ。「最初は大人しいデザインを買われても、周りに褒められていくうちにどんどん派手になっていくんです」。
3月上旬に開催された「阪急うめだスーク」でのポップアップ・イベントに出店した際は、イベント限定アイテムを用意した。
「毎日来店する人もいるくらいでした。コロナ禍では旅行も出来ないし、人にも満足に会えないから、みなさん元気が出るものや場を欲していると感じました。今回のイベントには傘のほか、バッグやスヌード、カラフルなマスクなども出品しました。客単価は平均25000円ほどでした

生産部門はあくまでマイペース。現在25名のものづくりスタッフが働いており、それぞれの家庭の事情や体調などを考慮しつつ、時給制でノルマは一切なしである。
「これからもみんなでワイワイと楽しくやっていきたいです。お客さまには、驚きと楽しさをずっと届けていきたい」と藤村さんは笑顔で話す。

◆nuts 問い合わせ TEL:080-3833-1317
https://www.atelier-nuts.xyz/