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特集 メガアイテムになった! ニットスニーカー

福田屋ショッピングプラザ 宇都宮店

デザイン性と機能性の高い商品を提案

 福田屋百貨店は、宇都宮市と鹿沼市を中心に店舗展開する、栃木県下トップクラスの百貨店である。中心となる福田屋ショッピングプラザ 宇都宮店1階には219坪の靴売場が設けられ、「HIMIKO」「ラボ キゴシ」「バークレー」「あしながおじさん」「モーダクレア」「ジェリービーンズ」などのブランドが並ぶ。顧客層は10代からシニア層までと幅広いが、中心が20〜40代である。商品の約8割がレディスだ。
 ニットスニーカーの動向を見てみよう。スポーツブランドでもニットスニーカーがさまざまなデザインで提案されているが、トレンディなブランドからデザイン性の高い商品が発表されている。
 最近好調なのは、「あしながおじさん」(クロスロード)のニットスニーカー。軽量でも収縮性が高く、縫い目部分がないので足に負担がかからないため、外反母趾、内反小趾などの人からは喜ばれるという。「HIMIKO」からはローカットとハイカットの2つのタイプが出ていて、後者は内側に撥水加工の布地が貼られていてレイン対応になっている。「スニーク」(エンチャンテッド)では、アッパーに面ファスナーが取り付けられ、フィット感を増している。スニーカーではないが、ニット地のポインテッドトウのパンプス(クロスロード)もある。

次第に定番化してファンも拡大傾向

 「ブーツの後、サンダルの前の靴として、ニットスニーカーを求めになる方が増えています。底材にはEVAやPU素材の軽量なものを採用して軽さを出しています。カウンターがしっかり入っているものを、タウンユースとして履かれるのがよいと思います」(婦人服飾部・仲島理代(ルビ・みちよ)さん)。
 スポーツブランドでは一年中ニットスニーカーを提案しているが、ファッションブランドではまだそこまではいかない。見た目が涼しげなためか、春先から初秋にかけてのシーズン商品としての位置づけで、昨年夏くらいからよく提案されるようになったという。
仲島さんは「次第に定番化して一定層のファンをつかみそう」と見ており、今後はさまざまなブランドから提案されてきそう。

宇都宮市今泉町237
TEL:028-623-5111




靴のアンテロープ

デザイン、カラーが増えファッションとして定着

 「靴のアンテロープは問屋として1979年に創業したワタナベの直営店だ。ネット戦略の効果もあり、売上げの約8割は卸売り・外商で占める。業務を通じて得られる情報量は一般の小売業に比べて多く、消費者動向も的確かつスピーディにキャッチできる。ニット使いのシューズに関する最新のトレンドもしっかりとつかんでいる。
「色やデザインに広がりが出てきました。ユーザーも真新しいニット素材に目が移りつつあります。ひとつの新しいファッション素材として定着してきていると思います」(渡辺雅弘社長)
 代表的な売れ筋商品が「ムーム」のホワイト/ニット生地バージョン≠セ。ノルディック調の編み込みニットが特徴的な厚底シューズで、衝撃緩和のためのエアソールも採用されている。アッパー生地とベロ部分を一体化させ、スリッポンのように楽に脱ぎ履きができることもポイントだ。価格は他のニットシューズに比べて高めだが、デザインと機能もあって売れている。
「70歳の方でも“これがいい”と買っていきます。厚底だし、クッション性もいいといいます。我々が予想する以上に年配の方にも受けている商品です」。

機能性などの訴求で付加価値のある商品を販売

 値ごろで機能やデザイン面ですぐれた商品も増えている。「トーキョー・キャンプゴーは抗菌・防臭効果のある抗ウイルス加工によるフライニットを採用。ふだん履きやタウンユースとして軽さやストレッチ性があるタイプや、アウトドア用途にも向くサボタイプもあり、多様性のあるブランドだ。
「ニット使いはスニーカーが好調ですが、サンダルやサボシューズもこの先はもっと売れると思います。店頭ではお客さまの手応えもいいですよ」
 ただニットシューズは安価な商品が多いが、「靴のアンテロープでは価格帯の幅を広げた品ぞろえや、陳列のレイアウトを工夫することで、付加価値のあるシューズに見せることに力を入れている。
「接客では価格の違いを説明できるよう、ストーリー性を交えたトークをしてます。単に“高い”“安い”という判断材料を超えた価値を見出していただけ、リピーターになる方の中には、手ごろな値段から徐々にステップアップしています。

埼玉県越谷市大竹139-1
TEL:048-975-3209