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異色店 ジョーワークス SHOE MAKER(東京・台東区)

オリジナル開発からオーダーメイドに

 「ジョーワークス」の工房は、グッドイヤーウエルト製法によるオーダーシューズを販売している。創業は2014年。現在スタッフ3名で、月産60足の注文がこなせるまでに成長した。
「オーダーシューズに特化するつもりはなかった。オーダーは一応できますよ、というオプション的な位置づけで考えていました。でも時代がそうではないところに来ていた。気がついたら"作りたいものを選んで作る"という考えが、靴好きの方を中心に世の中に広がっていました
と駒澤崇行代表は話す。
 当初はオリジナルブランドの開発もスタートさせたが、 「ある程度の革の種類が選べるようにし、受発注のほうが商品も広めやすいという要望がきた。駒澤さん自身も工場での生産管理の経験があるため、この点は応えられる下地があった。オーダーメイドを主軸とした生産に舵を切ることになったきっかけでもある。

SNSであっという間にメジャーブランドへ

「宣伝、広告的なことは一度もやったことがない」というジョーワークスだが、SNSやインスタグラムはある程度やっていた。これが靴好きのエンドユーザーに注目され、あっというまに注文が来るようになった。
 エンドユーザー向けの販売価格は税込みで9万数千円〜13万円。製法はグッドイヤーのみで、靴はメンズに特化している。客層はビジネスマンが多く、ファッションに関心のある方や靴がすごく好きな人を引き寄せるようだ。インスタグラム人気もあり、北海道や九州など遠方から足を運んでくるお客もいる。
「とくに高級な靴づくりをしているという意識はない」という駒澤さんだが、手掛ける靴の木型・つくり・材料へのこだわりは、作り手の情熱が注がれている。


小回りを効かせ顧客の要求に応える

 木型は現在オリジナルで3型をそろえている。そこからデザインや素材選びという流れになるが、同工房の手仕事でもうひと手間をかけ、少しでも商品の品質が良くなるように意識している。たとえば足に極力あわせるために木型の調整も行ううえ、履く人の左右の足のサイズの違いやちょっと小指があたるなど、可能な限り顧客の足に合わせる努力をする。「少人数で小回りが効くため、デザイン変更も可能なところはいくらでも受けられる」という。
 靴づくりは海外でも評価され、いまではスウェーデン、シンガポール、カナダ、韓国でも取り扱われるようになり、すでに生産キャパシティが上限いっぱいの状況にある。
「海外ブランドになると、同じ製法・材料で作れば20万円くらいするブランドもあるし、ハンドメイドで40万円という靴もある。うちの靴は価格面にはリーズナブルで、高品質と感じていただけるので、まだまだお客さまは増えるものと確信しています」。

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