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特集 超有望市場だ!「室内履き」


昨年から続くコロナ禍の影響で在宅時間が長くなり、お家需要が伸びている。その中の一つにスリッパがあり、改めて見直されている。これまでのような日用品の一いちアイテムとしてでなく、家の中でも心地よい時間を過ごすためのライフスタイル商品として、スリッパではなく、ルームシューズ(室内履き)として求められている。

市場規模
6億7000万足

 スリッパの生産は、90年代に入って生産拠点の海外移転が進んた。同時に海外からの輸入も増え、2020年の輸入量は6億7000万足を超えている。金額にして4970億円ほど。輸入品の1足当たりの平均CIF価格は700円ほど。
一方、国内生産は80年代前半をピークに下降しており、国内有力産地の山形・河北の生産量も、現在の生産量は60万足ほどと推定されており、国内全体の生産量は200万足ほどと見られている。


商品特性
ファッション雑貨に

 履く時間が長くなることで、室内履きにも履き良さや快適さのあるものが求められており、これまでの大量生産のスリッパとは違う商品が人気となっている。
木型から作られ、左右があることで履き良さを訴求する商品も人気となっている。また、 防臭・抗菌作用を施した室内履きも、コロナ禍ではセールスポイントとなっており、人気要因になっている。
 国内の織物産地の素材を室内履きに取り上げる商品も誕生している。シルクなど足当たりの良さや繊細な柄の高級品として、差別化できる室内履きだ。 
 新たな商品として注目されているのがバブーシュだ。アイテム自体は古くからあったが、脱ぎ履きが楽ながら、足への収まりがよく、フローリングの上を歩いても音が静か、といったことが見直され、人気となっている。


導入のメリット
売場の活性化に

 1000円台後半から2000円台の商品で構成すれば、靴専門店らしいファッション性のある生活雑貨アイテムとして提案できる。また、履き心地や機能性を取り入れた商品が、ケミカルシューズよりも売りやすい価格帯で展開できる。
 これまで靴専門店が目を向けてこなかったスリッパだが、在宅時間が長くなる中、家履きの商品にも目を向け、売場で扱うべきであろう。ここでは専門店らしい生活雑貨商品として、ファッション性や機能性もある室内履きとして、売上げのプラスオンがねらえる。
靴と違って吊り下げ陳列での訴求が可能で、売場の狭小スペースにネットを使って見せることができる。さらに、カラフルな商品を扱うことで、暗くなりがちなコーナーを活性化も期待できる商品である、品ぞろえに加えるべきでアイテムだ。