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特集 顧客の目の前SNSでつながる
SNSの使い分けとオンライン接客 アルコット 徳江実

 ユーチューブや定額配信サービスの動画・映画・スポーツをスマホでなく、家の大型TVで見る人が増えてきた。リビングのTVは平均50インチほどで、画面面積はPCの4倍、スマホの100倍と迫力が段違い。
 フワちゃんなどユーチューバーのTV出演と芸人のSNS発信が増え、SNSとTVも融合しつつある。


日本ではLINE利用が圧倒的

 ドコモのSNS利用率調査ではLINE(ライン)が81%、Twitter(ツイッター)41%、、Instagram(インスタグラム)34%、Facebook(フェイスブック)28%、TiKTok(ティックトック)7%。総務省の昨年調査もLINE82%、Twitter37%、Instagram36%、Facebook33%と似かよい、国内はLINEが圧倒的だ。
 Youtube(ユーチューブ)は個人投稿やチャンネル登録できるSNSなのだが、異論があって調査対象外の場合がある。
 世界ではFacebookがユーザー28・5億人と首位で、Youtube20億人強、米国のWhatsApp20億人、中国のWeChat12億人、Instsgram10億人と続く。
 日本で人気のTwitterは2億人、LINE1・9億人と少数派。中国製ショート動画のTikTokは、トランプ政権が安全上問題と禁止し、バイデンがそれを取り消し、商務省が調査中とトラブルを抱えたままだ。
 急増中なのは投稿が自動で消えるSnapchat(スナップチャット)で、安心なのか3・8億人まで増加している。


信頼度の高いFacebook

 日本の利用者満足度は1位Instagram、2位Youtube。3位以下も僅差だ。
 若者の利用は上記データ同様だが、社会人になるとFacebook比率が高まる。実名制で信頼度が高かったが、エゴな経営者の言動で評価を下げつつある。30代以降はSNS疲れでTwitterなどの利用が低下している。高齢者は子供や孫に勧められてのLINEとその無料通話で、他にYoutubeを利用している。
 SNSは知人や家族との近況確認がメインで、写真を見てもらいたいとか、「いいね」が欲しいなど、自己アピールも各2割ほどある。商品名など検索の情報収集が増え、暇つぶし閲覧も多く、投稿はLINEを除き少ない。

写真2
タイムラインの画像

SNS利用の靴購入は2割弱に

 企業もSNSでのCMや情報発信を強化し、自社通販サイトとリンクさせている。
 LINEの企業利用は公式アカウントになり、クーポン取得やセール情報、無料スタンプが人気。ランク上位は知名度と利用頻度の高いユニクロ、イオン、サントリー、ニトリ、キューピー、吉野家など。
 SNSを参考に購入したことがある人は7割ほどおり、多いのは菓子・食品・飲料・レストランだが、服や靴も各2割弱いる。
 インフルエンサーも若い女性には影響力があり、さまざまなインフルエンサーを紹介する専門サイトが複数ある。
 SNS広告をクリックしたことがある人も3割ほどいる。が、民放TVCMと違い、ジャマと嫌われており、広告排除アプリがダウンロード1位になったこともある。質の向上と客層とのマッチングが欠かせない
 LINE公式アカウントで、ブロックする理由としては、通知が多い54%、期待した情報が無い18%、見なくなって1ヵ月経った9%。ほかに夜遅く来るなど。配慮したい。


企業のSNS利用は専任担当者を置く

 LINEの無料フリープランは、タイムライン投稿やチャットが無制限だが、メーセージ配信が月1000人までなので、条件で絞ったセグメント配信にしたい。月5000円のライトプランではメッセージ配信は月1万5000通まで、スタンダードプランは月4万5000通まで。共にそれ以上は1通あたり数円課金される。
 YouTubeでは、バンダイがおもちゃやゲームの紹介動画をリンク付きで頻繁に掲載している。
 Instagramは通販サイトに飛ばせるショッピング機能があり、ビジネス契約やFacebook連携など制約はあるが、使いたい。#(ハッシュタグ)も少なすぎず多すぎず、うまく選択したい。
 ユニクロはTwitterにコーディネイトや機能説明画像と共に通販サイトへのリンクを掲載。画像は140字制限と別で5Mバイトまで可能で、動画も2分20秒まで可能だ。
 Twitterは拡散されやすいが、炎上も多いので注意が必要だ。
 Facebookもショップ機能で通販サイトのカタログ登録ができる。
 SNS利用は専任の担当者が望ましく、情報活用能力とともに社会常識も必要だ。



注目コンテンツのスタッフスタート

 スタッフスタートは売場スタッフが着用写真や商品説明を自社の通販サイトやSNSに掲載し、その数%のマージンを受け取れる仕組みで、販売員ごとのEC売上げ表がSNS別も含め生成される。
 アパレルや雑貨、コスメ、食品など既に1200以上の企業が導入し、三越伊勢丹も開始。昨年、同コンテンツ経由の流通額が前年の2・75倍、1100億円だった。各社EC内の、スタッフスタート経由の平均売上げシェアが47%で、スタッフの月間最高売上げは9082万円、1投稿の最高売上げ1232万円といずれも驚異的だ。
 6月から高画質動画と指で回せる360度動画機能も加わり、詳細な素材感や使用感や伝えられる。LINEもこことの連携を今秋から開始する。




オンライン接客は導入前に体験を

 コロナ禍でオンライン接客も増えた。文字のやりとりのチャット型、同じく文字のやりとりだが、パターン化して自動応答するチャットポッド型、ZOOM(ズーム)会議のようなビデオ接客型、それらを組み合わせたタイプ、SNS組み込みタイプなどさまざまな有料サービスが提供中だ。
 ただIT会社はサービスの説明に専門用語が多く、理解しにくい。他社サービスとの比較も難しい。利用例にある会社のオンライン接客を、自分か現場スタッフが体験してみるのが確実だ。
 オンライン接客は実店舗と違い、アプローチに気を使わずにすむが、それなりの練習は必要で、スタッフ同士のロールプレイングを何度も行おう。長い雑談の後で購入という客もいる。
 ビデオ接客は日時予約制で、氏名や気になる商品など記してもらう場合が多い。店舗と同様に店の全在庫が使え、静止画よりもシルエットや素材感、シルエットなど詳細が伝えやすい。