今月の記事・ピックアップ 2021・8
 HOME > フットウエアプレス > イタリア通信
イタリア通信

世界初のサステナブルをテーマのSC「グリーンピー(GreenPea)」に行ってみた

地球、自然、人間を商品でリスペクト

 コロナ禍においてさまざまな場面で“サステナブル”な事や物が取り上げられている中、2020年12月にイタリア・トリノ市に、サステナブルをテーマにしたショッピングセンター「グリーンピー」がオープンした。
5階建て1万5000uの建物は、外観が木材で設計され、全て環境に優しい素材が使用されている。隣接して、メイン出資者であるファリネッティ家が2007年に設立した、キロメートルゼロの食材を扱う「イーイタリー」本社がある。

 
“Have Respect and save the Planet”をコンセプトに掲げた「グリーンピー」は、地球との共存を目的としており、100社以上のパートナー企業が手を組み、環境に負担を与えない人間の生活スタイルを提供している。
 “From duty To beauty”と書かれた1階正面入口を入ると、自然エネルギーを生み出す仕組みや、地球環境について語っているビデオメッセージが流れている。2階ホーム、3階ファッション、4階ビューティー、5階はスパとなっており、それぞれメード・イン・イタリーを中心とした商品を販売している。
 ビューティーがテーマの4階は、コスメティック商品や本の販売、レストランやカフェが併設されており、「ゼニヤ」「ブルネッロ・クチネッリ」「ヘルノ」とイタリアを代表する大手ブランドが入居している。
 入居の条件は、イタリアを中心としたサステナブルブランドで、従業員の労働環境を考慮した企業をセレクトしており、入居待ちの企業もいるという。

サステナブル展開のファッションが集う

 3階ファッションフロアには、厳選されたさまざまなイタリアのサステナブルブランドが顔をそろえている。
 スニーカーブランド「ACBC」は、フルーツを販売する企業とコラボレーションしており、ブドウやリンゴの皮、ビオスキンと呼ばれるトウモロコシを原料とした素材をアッパーに採用、他にもプラスチックボトルのリサイクル素材や大麻、インソールにはコルク、ソールもトウモロコシの原料とサステナブルに基づいたモノ作りをしている。
 フリウリ地方の伝統的な手作りスリッポンを、現代のスタイルに仕上げた「Cingomma」は、自転車のタイヤをリサイクルしてソールに採用している。アッパーに使用されている生地もすべてリサイクルで、ジーンズやミリタリーとファッション要素を意識したスタイルも。過去には輸入代理店を通して日本で販売されたこともあり、また日本での販売を熱望している。