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特集 「サステナブル」加速
サステナブルに取り組む丸喜インタビュー/藤田晃成氏(丸喜社長)

グローバル基準で国際競争力をつける

 業界としては、いちはやく環境問題に着目し、SDGsにも取り組んできた革卸の丸喜・ 藤田晃成社長に話を聞いた。

日本エコレザー基準とLWGの革を継続的に扱う


――藤田社長が考えるSDGsとは
藤田:ムダを出さないこと、ムダなことをしないことだと思います。昨今、SDGsにはさまざまな考え方があり、脱炭素社会と一緒に考える人も多い。また、最近トレンドになっているビーガン主義の人達の中には、革を取るために牛や豚を解体している、SDGsは革の不使用だと考える人もいます。毎日食卓にのぼる食肉を取った副産物が皮革となることは、皮革を扱う業界では常識であり、これまで社会に向けた発信を強くしてきませんでした。今後は皮革卸としても積極的にこのことを発信していきたいと思っています。

――業界でも、SDGsへの関心が高まっていますが
藤田:当社でも、日本エコレザー基準に合格した革やレザーワーキンググループ(LWG)の認定を得た革については継続的に取り組んでいます。日本エコレザー基準に関しては、現在改革が進められており、いずれグローバル基準となることを期待しています。
LWG認定レザーの取扱量は増えています。ことにパキスタン、インド、バングラディシュなどの南アジアの革が多くなっています。
 SDGsやサステナブルに関心が集まっており、ニーズも高まっています。ことに欧州発のブランドはLWGのレザーを使うことが多く、海外からのOEMを受ける販売代理店となっているところに圧力がかかってきます。これは、百貨店に関しても同様で、百貨店向けの製品を製造しているメーカーさんの間では、ニーズが高まってきています。当社では、すぐにご提案できるものを準備しています。

サステナブルな革もファッション性は必要

――今後の課題としては
藤田:SDGsへの取り組みは、一過性のものではありません。ここを無視してこれからのビジネスはできません。ただし、LWGの認定を受けているからといって、それだけでは、説得力が弱いです。ファッション的にも、日々の生活のなかで喜びを感じさせるものであるべきです。今後はもう少し、そんな要素を加えてほしいと思います。
 現在、日本でLWG認定を取得されているタンナ―は1社だけですが、他に準備を進めているところもあります。次世代につなげようとするのであれば、外すことのできない視点だと思います。国際競争力をつけるためにも避けては通れないところではないでしょうか。